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彼からの厚意を受け取らない理由などない。「ありがとうございます」なんて絞り出した吐息は聞こえていただろうか。
彼の骨骨しい腕から開放されると、両肩を掴まれ、セノさんの方に体を向けられた。仮にも抱きしめられた後だし、この状況でセノさんの顔をまともに見ることすらできない。
「今回の件、Aには本当に感謝をしている」
「…はい」
「俺の近くにいて恐ろしいことも沢山あったはずだ。それでも、側にいてくれて俺は嬉しかった」
( ……セノさんも、嬉しいとか、私といて思うんだ。 )
そんな事実が妙に嬉しい。好きな人相手だと余計に。
「だが、今回つくづく思った。Aが側にいることが日常であることが、俺にとってどれだけ手放しがたいものなのか」
「………え」
「Aとの日常を手離したくない」
真剣な眼差しを向けられ、その場で凍り付いたみたいに動けない。彼の熱の篭った言葉を一心に受け止めて、もうどうにかなってしまいそうだ。
「俺と一緒にいてくれないか」
数え切れないほどの戦いを経て、硬くなり骨ばったはずの両手が私の手を包む。それはとても優しかった。
「勿論です」
力強く頷くと、セノさんの顔が僅かに綻ぶ。嬉しさのあまり抱きついて、その背に手を回した。そして、幾秒かした後に、「…A」と躊躇したように温もりを離される。
「人通りが少ないとはいえ、公共の場でこういったことは……少々不埒だと思うのだが……」
「あ…ご、ごめんなさい！私つい……」
恥ずかしいことをしてしまった、と自責の念に駆られ頭を抱えていると、「だが…」と言葉を続けた。
「こういったことは、ちゃんと二人きりの時に沢山するべきだろう」
顔を赤らめるでも、目を泳がせるでもなく、ただ真っ直ぐにそう言った。ここでも表情を崩さず言い切ってしまうなんて、最早恐ろしい。
「………はい」
私はただ力強く頷いた。
この恋を大切にしていきながら、いつか彼に七星召喚で勝ちたいといつかの未来に思いを馳せて。この幸せを彼と共にどこまでも歩んでいきたい。
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咲原(プロフ) - まるさん» 読んでくださり光栄です。。！ありがとうございます(˶' ᵕ ' ˶)！ (8月13日 12時) (
レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
まる - 最高でした！！お疲れ様です！ (8月13日 6時) (レス) @page48 id: 626fa9ab7b (このIDを非表示/違反報告)
咲原(プロフ) - あいうさん» ご覧頂きありがとうございます！元ゲームの雰囲気を壊さずに慎重に書いていましたのでそう言っていただき光栄です……！自分らしく執筆を頑張りますね！ (2023年2月21日 16時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
あいう - セノの小説あまり無かったのでめっちゃ嬉しいです！話しも自然ですごいです。めっちゃ好きです。自分のペースで更新頑張って下さい！応援してます！！ (2023年2月20日 1時) (レス) id: 914ffe60d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲原 | 作成日時：2023年1月19日 12時
