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突然家に押し掛けた羊の覆面を被った集団が、鋭い槍を携えて父に襲いかかったこと。そんな父を見て、覆面を外したこの人が笑みを浮かべていたこと。
乾いた笑い声を漏らす彼がこちらに詰め寄る。セノさんからいただいた首飾りごと襟を乱暴に掴まれて、夕暮れの瞳が爛々とこちらを睨んだ。
「どうして研究を続けているかと聞いたね？」
「………」
「そんなの愚問だ。教令院の学者であるなら何をしてでも研究を完遂させる」
ただそれだけだ、と目を見開いたカミルさんは飽きたように私から離れると、「始めろ」と指示をした。次の瞬間、布のようなもので視界を塞がれると、その場に押さえつけられた。
そうして研究の集大成は幕を開けた。まるで儀式のように、私を囲んでいた人達が何やら唱えながら周りを回っているのだ。徐々に全身が痒くなってきて、首の裏が灼けるような痛みに襲われる。
「……っ、」
回り回る度、魔法陣として描かれていた赤砂が体に掛かる。逃げようにも頭から押さえられ、謎の呪文による痛みによって体が思うように動かないのだ。
研究のため捧げられる羊は、腹から血を流してでも崇められるくらいには神々しく、生贄として従順でいなければならない。
──それでも。私は人間だ。羊じゃない。
お腹から血なんて流したくないし、生贄として捧げられたくもない。無力でも、助けを乞いたい。
「──………」
風が吹いた。駆け抜けるような轟音は視界を遮られていても分かる。
手を伸ばすと、その手を力強く掴まれて、体ごと抱き寄せられた。布を外してもらうと、安心したように目を細めるセノさんと目が合って、その首元に掴まった。
「待たせたな、A」
耳元で囁かれると、セノさんが地面を蹴り上げ、襲い掛かる集団を掻き分けていく。それと同時に、エルマイト旅団の方々が応戦をする。
セノさんがぶつぶつと何かを唱えている。痛みが薄まる感覚を受けながら、私は静かに目をつぶった。
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咲原(プロフ) - まるさん» 読んでくださり光栄です。。！ありがとうございます(˶' ᵕ ' ˶)！ (8月13日 12時) (
レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
まる - 最高でした！！お疲れ様です！ (8月13日 6時) (レス) @page48 id: 626fa9ab7b (このIDを非表示/違反報告)
咲原(プロフ) - あいうさん» ご覧頂きありがとうございます！元ゲームの雰囲気を壊さずに慎重に書いていましたのでそう言っていただき光栄です……！自分らしく執筆を頑張りますね！ (2023年2月21日 16時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
あいう - セノの小説あまり無かったのでめっちゃ嬉しいです！話しも自然ですごいです。めっちゃ好きです。自分のペースで更新頑張って下さい！応援してます！！ (2023年2月20日 1時) (レス) id: 914ffe60d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲原 | 作成日時：2023年1月19日 12時
