11：罪人の娘 ページ31
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いよいよ計画の決行当日。
前日はあまり眠れなかったように思う。
私の行動一つでこのアアル村が、セノさんが長年追ってきた事件や集団が、無くなってしまうかもしれないのだ。自分から申し出たとはいえ、手の震えが収まらない。
皆が配置へと付いたことを確認したセノさんが頷いたので、私は平静を装って家を出た。一段、また一段と階段を下りていく。
息を呑んだ瞬間、魔物が私を囲んだ。
「行け！」
セノさんの声が響く。マハマトラの皆さんが魔物へ武器を向ける。
一番に飛び出したセノさんは私を守るように前に立ち、「大丈夫か」とこちらへ振り返った。その言葉に頷けば、僅かに微笑んだことを認めると、セノさんは武器を振りかざす。
なるべく彼から離れないように、皆に迷惑を掛けないように。心に決めていたことを唱えながらも、周りの状況を見回していると。
「イスタンダ」
耳の奥で低い声が響く。どこかから生えてきた手が私のネックレスを掴んでおり、桃色の石が神々しいように輝いていた。
刹那、物凄い勢いで後ろへと引っ張られ、思わず出した手の先に、伸ばされた手は届くことなく、闇へと包まれる。
「A！！」
( また誰かに迷惑を掛ける……。 )
色濃くなっていく闇の中には、私と父の思い出、そして恐らく羊の集団と父の思い出が浮かび上がっている。走馬灯のように流れるそれらは塵となって消える。
恐怖に怯える手を握ってくれる人などいなくて、情けない自分を自責することしかできずに、私は目を瞑った。
┈┈┈┈┈
「おい、目を覚ませ」
首元や肩のあたりに強い衝撃を感じ、重い瞼を上げる。大きな緞帳のようなものに包まれた空間。何やらざらざらとした感触は赤砂のようで、私の周りに撒かれているようだ。
体を起こすと、周囲に撒かれた砂が魔法陣のような形を描き出していること、そして羊の覆面を被った集団が何列にもなって私を囲んでいることが分かる。
隊列を掻き分けて出てきた男性が覆面を外して、私に歩み寄ってきた。
「久しぶりだね」
その顔には覚えがあった。
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咲原(プロフ) - まるさん» 読んでくださり光栄です。。！ありがとうございます(˶' ᵕ ' ˶)！ (8月13日 12時) (
レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
まる - 最高でした！！お疲れ様です！ (8月13日 6時) (レス) @page48 id: 626fa9ab7b (このIDを非表示/違反報告)
咲原(プロフ) - あいうさん» ご覧頂きありがとうございます！元ゲームの雰囲気を壊さずに慎重に書いていましたのでそう言っていただき光栄です……！自分らしく執筆を頑張りますね！ (2023年2月21日 16時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
あいう - セノの小説あまり無かったのでめっちゃ嬉しいです！話しも自然ですごいです。めっちゃ好きです。自分のペースで更新頑張って下さい！応援してます！！ (2023年2月20日 1時) (レス) id: 914ffe60d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲原 | 作成日時：2023年1月19日 12時
