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私も応戦しようと思うが、きっとセノさんの足でまといになるから名乗りを上げられなかった。
そんな中、アシパキさんが立ち上がり、「レンジャーとして戦ったことは何回もあるから、俺も行くぜ」と武器を構える。二人で捌けるほどの魔物の数ではないが、このまま逃げる方が危険なのかもしれない。
「お前を必ずガンダルヴァー村まで送り届ける」
「………はい」
もうこのまま、二人に迷惑を掛け続けるならとも思うが、セノさんの厚意からも了解した責任からも逃れたくない。
「先程、俺のことを教えてほしいと言ったな」
「はい」
「俺は食べられるものなら基本なんでも食べるんだ。つい最近まではタフチーンをよく食べていたが、僅差で首位に躍り出た食べ物があってな」
セノさんが兜を被る。戦闘態勢に入り、槍を持ち替えた。そうしてじっと私を見つめる。
「お前と食べたナツメヤシキャンディだ」
こんな危険な状況下でも、セノさんから貰う言葉に嬉しさを感じてしまう。愚かな私を今は素直に受け入れて、セノさんにとってもあの時間は有意義であったという事実を噛み締めた。
私が今できることは、二人の動向を見て適切な行動をすること。今はセノさんとアシパキさんを信じて祈るしかない。
「………っ、！？」
突如、視界が暗転した。
誰かに目元を布で覆われているような感覚であるが、実際背後に人がいるわけがなく。遠隔からの魔力のようなものであると思うが。
そうして暗闇から浮かび上がったのは、璃月にて奇妙な覆面を被った集団に攫われそうになった時の記憶。無理やり腕を掴まれる感覚、叫び声や咆哮が響き渡る部屋、目の前で息絶えた父から託された本──。
「…やめて……っ」
恩人との始まりの地であると同時に、それは積み上げた幸せが壊れた瞬間でもあるのだ。その先にあるはずの明るい未来を掴もうと手を伸ばすと、知らない手が私を迎え入れて。
「可愛らしい羊だな」
低い声が耳奥を鳴らした。
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咲原(プロフ) - まるさん» 読んでくださり光栄です。。！ありがとうございます(˶' ᵕ ' ˶)！ (8月13日 12時) (
レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
まる - 最高でした！！お疲れ様です！ (8月13日 6時) (レス) @page48 id: 626fa9ab7b (このIDを非表示/違反報告)
咲原(プロフ) - あいうさん» ご覧頂きありがとうございます！元ゲームの雰囲気を壊さずに慎重に書いていましたのでそう言っていただき光栄です……！自分らしく執筆を頑張りますね！ (2023年2月21日 16時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
あいう - セノの小説あまり無かったのでめっちゃ嬉しいです！話しも自然ですごいです。めっちゃ好きです。自分のペースで更新頑張って下さい！応援してます！！ (2023年2月20日 1時) (レス) id: 914ffe60d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲原 | 作成日時：2023年1月19日 12時
