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暗闇の中、まだ不慣れな道をセノさんと共に歩く。何か話題を提供した方がいいだろうかと思考を巡らせていると。
「守衛の仕事は以前からしているのか?」
「はい。人手が足りてないのは夜勤の方だったので、そちらを手伝わせていただいています」
「夜は常に危険が伴うし、先程も言ったが最近の砂漠は何だかきな臭いんだ。外に出ない方がいい」
不安定な橋の上を渡りながら、セノさんの背を追う。
「だから最近よくアアル村に来ているんですか?」
「…ああ、そうだ」
どうやら何かにつけてアアル村を嗅ぎ回っている連中がいるとかで、セノさんはその調査を行っているらしい。先程彼が倒した集団はその一派なのだとか。
何層もある階段を登り追えると、セノさんがこちらへ振り返った。月の光に照らされたその顔が妙に綺麗で。
「ありがとうございます。セノさんならきっとアアル村の平和を守ってくれると信じています」
たとえこの先アアル村に何かあったとしても、セノさんならアアル村を守ってくれそうな気がしているのだ。
私の言葉に沈黙を保ったままの彼が、家の扉を開ける。私が家の中へ入り、今日のお礼をしようと振り返ると。
「何かあれば俺を呼んでくれ」
「何か……例えば何ですか?」
「家から出る時だな、どんなに近い場所であっても外出の時は俺を呼べ」
じっと真摯な目付きと視線が絡まる。
「俺がお前を脅威から守ってやる」
( そこまでされる覚えはないのですが……。 )
彼のご厚意に頷いて、「おやすみ」を言い合うのだった。
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咲原(プロフ) - まるさん» 読んでくださり光栄です。。!ありがとうございます(˶' ᵕ ' ˶)! (8月13日 12時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
まる - 最高でした!!お疲れ様です! (8月13日 6時) (レス) @page48 id: 626fa9ab7b (このIDを非表示/違反報告)
咲原(プロフ) - あいうさん» ご覧頂きありがとうございます!元ゲームの雰囲気を壊さずに慎重に書いていましたのでそう言っていただき光栄です……!自分らしく執筆を頑張りますね! (2023年2月21日 16時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
あいう - セノの小説あまり無かったのでめっちゃ嬉しいです!話しも自然ですごいです。めっちゃ好きです。自分のペースで更新頑張って下さい!応援してます!! (2023年2月20日 1時) (レス) id: 914ffe60d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲原 | 作成日時:2023年1月19日 12時