リンゴ ページ5
足元に真っ赤なリンゴが転がってきた。
顔をあげると女が散らばったリンゴを拾っている。
「どうぞ」
そう言って拾ったリンゴを差し出すと花が咲くように笑った。
「ありがとう!」
立ち上がって、腰を曲げてお礼を言うものだから袋いっぱいのリンゴがまた落ちる。
「ぎゃっ」
およそ女とは思えないその声に少し笑う。
「大丈夫?」
彼女は恥ずかしそうに頬を掻きながらまたお礼を言った。
「運ぶの、手伝おうか?」
そう言うと、申し訳ない、なんて言って手と顔を左右に振る。
「ありがとう」
去り際、彼女はもう一度だけ軽く頭を下げて背を向けた。
「こちらこそ」
何となく、お礼を言いたくなって小さくなるその背に向かって呟いた。
彼女の姿が見えなくなったのを確認して、帰路へつく。
明日は誰と出会うだろう。
─リンゴ─END
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八重(プロフ) - カシオペアさん» ありがとうございます!!まさかこっちまで読んで頂けるとは……その上コメントまで……本当に感謝します(*/□\*)上手なんて、恐縮です……(でも嬉しい)頑張ります!ありがとうございます!本当に!!! (2017年7月3日 21時) (レス) id: e19e44ac0b (このIDを非表示/違反報告)
カシオペア - ヒロアカの方を読んだので、こちらものぞいてみましたが本当に文を書くのが上手なんですね。一つ一つが短くて読みやすいです。更新、頑張ってください! (2017年7月3日 20時) (レス) id: 972c361b83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八重 | 作成日時:2017年4月24日 2時