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ゆめ ページ14

「泣いてるの?」

音もなく現れたその人は優しい声色でそう問うた。
窓に腰掛けたような体勢のその人の姿は月光に照らされ、影となり目に映る。

「どうしたの?」

首を傾げながら、話を聞こうか、と言ってくれる。
その言葉に胸が締め付けられるような想いがした。

――ああ、こんなに親身になってくれた人はいただろうか。

その人はポツリポツリと嗚咽を交えながら紡ぐ言葉を黙って聞いてくれた。
話終えた頃には涙も引いていた。
泣いてしまったことが恥ずかしくなって、下を向く。

「頑張ったね」

そう言ってゆっくりとあやすように頭を撫でてくれるその人にまた涙が出てきた。

「もう大丈夫」

ありがとう、と感謝を述べるとその人は口元に笑みを浮かべた。

「今日はゆっくりおやすみ」

明日には全部終わっているからね、と言って離れていく手の温もりに少し残念に思いながら、ベッドに潜って目を瞑る。

暫くして窓に目をやるとその人の姿はもう既に無かった。

もしかしたらとても短い夢を見ていたのかもしれない。
そう思いながら再び目を閉じる。

意識が途切れる寸前、その人に触れられた箇所がじんわりと熱を浴びた気がした。




─ゆめ─END

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八重(プロフ) - カシオペアさん» ありがとうございます!!まさかこっちまで読んで頂けるとは……その上コメントまで……本当に感謝します(*/□\*)上手なんて、恐縮です……(でも嬉しい)頑張ります!ありがとうございます!本当に!!! (2017年7月3日 21時) (レス) id: e19e44ac0b (このIDを非表示/違反報告)
カシオペア - ヒロアカの方を読んだので、こちらものぞいてみましたが本当に文を書くのが上手なんですね。一つ一つが短くて読みやすいです。更新、頑張ってください! (2017年7月3日 20時) (レス) id: 972c361b83 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:八重 | 作成日時:2017年4月24日 2時

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