闇夜の殺人鬼 ページ2
「待って、話せば分かるわ!」
暗い路地裏に女の甲高い声が響く。
「悪かったと思ってるの!」
必死に言い募る女に一歩、近付く。
「ああ、ごめんなさい」
どうか、命だけは。
プライドも何もかも捨てて、命乞いをする。その姿に口元が歪む。
「ダメ。もう、遅いよ」
女に身の丈ほどもある大きな鎌を降り下ろす。
「ひっ」
ザシュ、と小気味の良い音を立てて血飛沫が上がる。頬に返り血が付いた。
「あは」
ゆっくりと倒れていく女の体を眺めていると自然と声が漏れた。
「ははははは!!」
ああ、やっぱり。生きようとするその姿は哀れながらも美しい。
その先にある不幸に気付かずに今ある幸せに浸っているその姿は滑稽で。
ドン底に突き落としたときに見せるその表情は素晴らしく、狂おしい程に愛しい。
次の標的を探すためふらりと路地裏を出た。
月夜に照らされるその姿を見たものは生きては帰れない。
─闇夜の殺人鬼─END
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八重(プロフ) - カシオペアさん» ありがとうございます!!まさかこっちまで読んで頂けるとは……その上コメントまで……本当に感謝します(*/□\*)上手なんて、恐縮です……(でも嬉しい)頑張ります!ありがとうございます!本当に!!! (2017年7月3日 21時) (レス) id: e19e44ac0b (このIDを非表示/違反報告)
カシオペア - ヒロアカの方を読んだので、こちらものぞいてみましたが本当に文を書くのが上手なんですね。一つ一つが短くて読みやすいです。更新、頑張ってください! (2017年7月3日 20時) (レス) id: 972c361b83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八重 | 作成日時:2017年4月24日 2時