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あれからしばらくラウと話していないし、連絡も取っていない。
とても気まずい。
すれ違っても無視どころか、私のことを視界に入れてくれないみたいだ。
話したいという気持ちはあるが、今ラウに話しかけてうまく話せる自信がない。
ラウとのコミュニケーションが減ってから、ぼーっとする時間が増えた。
何にも考えられなくなる。
それくらい私の中でラウが大きいということに気づいた。
気づくのが遅すぎたのかもしれない。
ラウールside
A先輩と話さなくなって一週間が経とうとしている。
あれ以来、僕は無心になる時間が増えた。
何か物足りないような感じがする。
きっとこの物足りなさはA先輩だ。
僕だって分かっている。
屋上の時のあのA先輩の表情。
何か言いたげだった。
でも僕は気持ちが空回りして、一方的に怒りをぶつけてしまった。
もう少し、A先輩の話を聞いとけば良かった。
そう思ってもA先輩は帰ってこない。
自分から話しかける勇気もない。
こんなにも弱っちい僕は、本当にダメな人間だ。
今日は一段と無心だった。
友達に話しかけられても、会話にならないぐらいだ。
帰り道、楽しそうにしているカップルを見て憂鬱になる。
そして僕は歩いていた。
赤く光っている信号機に向かって。
気付いたら僕は道路の上で倒れていた。
意識がボーッとする。
だんだん視界がボヤけていく。
そんな中でも僕の頭の中に思い浮かんだのはA先輩の笑顔だった。
Aside
ラウに会いたい、そう思う時間が増えた。
ラウの顔を思い浮かべていると、スマホが鳴った。
電話だ。
誰からか見てみると岩本先生だった。
岩本先生とのことがあってラウと気まずくなってしまったので、一度電話に出るのをためらったが滅多に、岩本先生から連絡がくることはない。
何か、重要なことがあるのかもしれないと思った。
私(もしもし。岩本先生どうしたの？)
岩本(A、お前この前の文化祭の時のペアダンスで一緒に踊ってたのってラウールって子か？)
私(そうだけど・・・)
岩本先生からラウールという言葉が出てきて驚く。
岩本(そのラウールって子が救急車で運ばれてきた。)
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作者名：パプ子 | 作成日時：2022年6月16日 23時
