Pretty you ４

12月24日(JH) ページ48

仕事終わり、帰り支度をしながらスンチョリが号令を出した。

SC「よし、時間稼ぐぞ」

メンバーは次々と俺の肩を叩いて「がんばって」と言って楽屋を後にする。今日は12月24日、Aのサンタになる日だ。

A『ヒョンと2人でお散歩したい…』

おねだりを叶えるべく、あの夜以来メンバーにアドバイスを受けながら今日の準備をした。マンネは今夜の散歩をただの散歩だと思ってるかもしれない。けど俺は【初めてのデート】のつもりでいる。…喜んでくれるだろうか…。

メンバーが移動車に乗り込みcaratの気を引いてくれているその間に、俺はAを連れ出すことになってる。これも事前に相談済みだ。みんな快く引き受けてくれて(若干面白がってる雰囲気もあったけど)すごく感謝している。

「A、準備できた？」

Aの楽屋に迎えに行くと、少し緊張した顔がドアから出てきた。

A「ヒョン、本当にお散歩行ってくれるの？」

強請っておきながらそれはないだろ…そんなこと言われたら意地悪したくなるじゃん。

「ん？じゃあ帰る？」

A「え…」

嘘だと伝えれば、いつものように揶揄われたと思ったのかペシペシ叩いてくるから、その手を捕まえた。

「行こう、A」

.

事前に用意していた車にAを乗せて、メンバーの移動車とは反対の出口から出発する。誰も俺たちには気付いてないようだ。

A「ヒョン、お散歩なのに車なの？」

「散歩だけじゃなんだからサンタとドライブもしようよ」

多分Aは、漢江辺りを歩いて終わりだと思ってたんだろう。窓の外を見ながら[どこに連れて行かれるのか]と若干心配そうな顔だ。時刻は22時過ぎ、俺は本来なら営業が終了している施設の駐車場に車を入れた。

A「ヒョン、もう営業終了してるよ？」

「大丈夫、心配ないよ」

車を停めて、助手席のドアを開ける。

「ほら、お散歩しに行こう」

施設の前で笑って手を振る人物がいてAはビクビクし出した。

友「よう！ジョンハン」

「今夜はありがとう。無理言って悪かったな」

友「お前の頼みだ。聞かないわけにいかないよwこんばんは、Aくん」

A「こんばんは…」

何が何だかわかってないマンネに、彼が自分の友人でココで働いてることを説明した。ま、Aはココがどこなのかもわかってないようだけど。

友「きっかり1時間。帰りは今と同じルートで。カメラは切ってあるから安心して。お礼は宣伝してくれればいいからwじゃ、いってらっしゃい」

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