いらっしゃいませこんにちは。【w.r.w.r.d.!】

今日も今日とて36 ページ39

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「わ、電話...」








風呂から上がり懐かしの自室で布団に潜ろうとしていた時、突然スマホが震えだした。



何かと思い見てみれば、ショッピくんからの着信。



一体何があったのかと心配になりつつ電話を取ると、聞こえてきたのはショッピ君の声ではなく、他の誰かの声。

まさか、ショッピくん誘拐でもされた？！と心配が加速した私は電話の向こうの人物に名前を聞いた。






「あ、あの、どちらさまでしょうか...。」




『あぁ、俺。ゾム。』







なんと驚いたことに、ゾムさんらしかった。

電話の向こうの人物が知っている人だとわかった途端、先程までの警戒心はどこへやら、随分と安心した気持ちで彼に言葉を返すことが出来た。






「あ、こんばんはゾムさん。えと、なにか御用でしたか...？」






しかし、私が紡いだ言葉への返答はなく、しばらくの間電話の向こうの彼は黙りこくっていた。


え、やっぱり怪しい人...？ショッピくんだけでなく、ゾムさんまで...？！


どんどん悪い方向に流れていく思考に気を取られ、ゾムさんにもう一度言葉を掛ける。





「あ、あの...ゾムさん？えと、用件は...」



『...っあの、こんばんは。A先輩。』





私の問いかけから数秒空き、ガタガタと物音がしたとおもえば、ショッピくんの声が聞こえた。

今度はショッピくん...？！

どういう状況か理解できないまま挨拶を返すと、電話の向こうからたくさんの声がした。





『あぁぁぁぁ...！Aちゃん良かったわぁ！！』



『何がええんや...てか、ちゃっかり名前呼びにしてんとちゃうぞ大先生』



『な、中村さん、Aさんていうんや...』



『中村さんお久しぶりです』





いきなりの事態に頭が追いついて行かない。

それでも、聞いたことある声ばかり聞こえてくるので、少しも不安になんかならなかった。






「み、皆さん...？えと、どういう関係で...。」



『友達？ちゃうな。腐れ縁？』



『そこは友達でええやろ！！』



『あーもう話が進まんわ！あんな、中村ちゃん、実はショッピくんから色々聞いてもうて...』




いかにも関西人らしいやり取りに少し口元が緩まるも、大先生さんと思われる声の紡いだ内容に顔が思い切りひきつるのを感じた。





「い、色々ですか...？その、具体的に何を...」



『あー...』



『Aちゃんお見合いするんやろ？』





返答に渋る誰かの声を追いやって、ゾムさんがハッキリと私に聞いた。

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