いらっしゃいませこんにちは。【w.r.w.r.d.!】

今日も今日とて21 ページ21

いらっしゃいませこんばんは〜






ゾムさんがお帰りになった後から何時間かたつが、結局グルッペンさんは現れなかった。


てなわけで準夜。
ショッピ君も夕勤から準夜まで入っているようで、私たち二人はレジの前にいた。





「いらっしゃいませこんばんは〜」




世間話をしていると、2人組のお客様が来店された。


あ！この前クレーマー親父に喝を入れてくれた温厚そうな茶髪のお客様じゃないか！！！

その彼の隣には黒髪メガネでマスクをつけた男の人がいる。

な、なんかおもしろいマスクだな。バツ印描いてある。





「……ぁ。どうも…。」



「…？ショッピ君、お知り合いなの？！」




彼らに軽く会釈をするショッピ君の顔は少し強ばっていた。
君、お知り合い多くない？





「あ、まあ。」



「へぇ〜！あの茶髪の方とも？」



「そ、そうっすけど。」



「ぉおぉおお〜！！」




私が思わず感嘆の声をあげると、ショッピ君はなんで嬉しそうなんすか、と気に入らなそうな目を私に向けた。


いや、理由はないよ。なんとなくだからその目をやめてほしいな。





「お願いしてもええ〜？」



「あ、いらっしゃいませこんばんは〜！」





ブスっとしてる彼を他所に、レジに来た茶髪さんとマスクさんのお会計を進める。

相変わらずニコニコしてんなぁこの人。




「ショッピくんやったよな？会うの初めてとちゃう？」



「……そうっすね。」



「そんな警戒せんくても……傷つくめう」



「……オスマンさん方、関東で働いてるんでしたよね？何でこっちに？」



「あぁ、俺とマンちゃんの休みが被ったから一緒に来たんだよ。俺だけホテルだけど。」



「ひとらん元々関東やしなぁ。」





お会計の途中、私を抜いた3人の会話を聞き流す。
……知り合いなのに、会ったこと無かったのかな？どういう事だ…ネットで知り合ったとか？

それから3人の間に会話はなく、静かな中に私の事務的な言葉が響くのは何だか気まづかった。





「中村ちゃん、お仕事がんばってな〜。じゃ、ショッピ君はまた今度。」


「あ、ありがとうございました〜」





私に笑顔を、ショッピ君には何か含みのある笑を向けた茶髪の彼と、軽く会釈してくれたマスクの彼は共にコンビニを出ていった。





「……ショッピ君の友好関係、なんかギスギスしてそうだね」



「癒してくださいよA先輩……」




疲労感たっぷりの彼の表情に思わず苦笑した。

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