いらっしゃいませこんにちは。【w.r.w.r.d.!】

今日も今日とて16 ページ16

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「……そうは言っても、店員さんも人間なんやし、何でもかんでも聞き取れることはなかなか無いで。」




「…っいや！店員はちゃんと聞き取って売るのが仕事やろ！根性が足りてないねんこいつは！」






ああそうですか。ならあんたは仕事でミスしたことないんですか。

なんて言ってしまったら終わりなので、口を噤む。


オヤジのその言葉を聞いた温厚そうなお客様は顔から微笑みを消し、真顔で言った。






「誰にでもミスは有るやろ、ならまたこっちが品番を伝えればええだけの話やんけ。
ていうかおっさん、アンタわざとやんな？ただ単に文句つけて怒鳴り散らしたかっただけやろ」





真顔で一気にまくしたてたお客様にはもう温厚の一文字もない。


彼の言葉に何も言えなくなったのか、オヤジは捨て台詞を吐くだけはいて店を出ていった。





「あ、す、すみませんでした！わざわざ注意していただいて……」




「あぁ、ええんよ。あのオヤジにムカついたから俺が勝手にやっただけやし。」





私の謝罪に目の前の彼は綺麗な茶髪を揺らしながら笑った。
表情からは先程までの威圧感が払拭され、またあの温厚そうな微笑みに戻っている。





「あ、遅くなっちゃったけどこれお願いしてええかな」




彼は苦笑しながらレジに品物を置いた。
私も急いでそれに応え、レジ打ちをする。


その間に少しだけ会話をしたが、彼はどうやら関東の方から地元に帰ってきたらしい。




お仕事も遠くまで飛ばされるともっと大変だなぁ。




なんて思いながら手を振る彼にお辞儀をし見送った。






…………





「中村ちゃん！おはよ！昨日ぶりやね！」



「あ、いらっしゃいませおはようございます、大先生さん？でしたっけ？間違ってたらすみません」



「え…………な、名前……！！覚えててくれてたんか！！好きやぁ…………」




「え、ちょ大丈夫ですか床にひれ伏さないでください！スーツ汚れますよ！！？」





…………


実際、よく売れるタバコの品名なら大丈夫なんですけどほんとたまーに売れるやつとか品名で言われてもわからん。


まあ、店員ならタバコの品名とどこにあるのかくらい覚えとけよって言われたら何も言えないんですけどね。

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