いらっしゃいませこんにちは。【w.r.w.r.d.!】

今日も今日とて13 ページ13

いらっしゃいませこんばんは〜









「また後で」
そう言われてポツリと取り残された私は内心戸惑っていた。


……き、今日も待っててくれるのか、あの方は。


いや、確かにさっきまた一緒に帰ってもいいかも的なことは思ったがそれとこれとは別だ。




…楽しいけど、彼の隣に立つのは少々気が引けるのだ。





私が悶々と考えていると、いきなり肩に手が置かれた。







「ぅんっ？！」




「ﾌﾟｯ…フフっ…なんやねんその声。」






手、止まってんで。なんて笑いながら言う彼……(最近よく来る方)は最初の怖いイメージとは掛け離れていて多少たじろぐ。






「い、いきなりやめてくださいよ……あ、いらっしゃいませこんばんは。」




「今更やな！」






楽しそうに笑う彼は私が今ちょうど品出ししていたヨーグルト飲料を1つ手に取りカゴに入れた。







「…そういえば、自分グルさんと仲いいん？」





「グルさん…？あ、グルッペンさん。
まあ、話したのは昨日が初めてなんですけどね。」






我ながらの急展開に思わず苦笑が漏れる。


私の言葉に彼はふーんと相槌をうつだけだった。
その表情はフードで隠れて読み取れないが、恐らくあまりいい表情ではなさそうだ。





何故。私何か間違えたか。







「ゾム。俺の名前。」




「え？は、はぁ……」




「おねーさん、下の名前なんて言うん？」







内心めちゃくちゃ焦っていると、彼はいきなり自分の名前を口にした。

なぜこのタイミングで名乗るのか、と不思議でならなかったが、聞かれたからには私も名乗る。





「Aです……」




「Aちゃんな。……なあ、あいつにだけじゃなくて、俺にも構ってぇや。」





「はい？」






構う？どのように？

ちょっと意味がわからなかったので思わず聞き返してしまったが彼は気にもせずぶすくれている。

……そろそろ、仕事に戻りたいんだけど…





彼が漸く私から離れレジに行ったのはそれから10分後の事だった。






…………





「……グルさん、あんたここでずっと待ってんの？」




「あぁ。悪いか？」




「…別にええし。俺中村さんの下の名前聞いたから。」




「……それは聞き捨てならんな」





…………



100票超えました(震え声)


読んでくださっている方々、本当に感謝しかありません……。

これからも何卒よろしくお願いします。

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