【ジョジョ】伝説の暗殺者【５部】 (ページ16)

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「良い店だね」

シルクのような美しい白髪の青年が出した珈琲を飲んでから、ほっと息を吐き出した

エリック・サティが流れる店内は、不思議と気持ちを落ち着かせ、どこか懐かしいような気分にさせた

しかし同時に、この場所にいるのは間違いでいるような、罪悪感にも似た感情があることにも気づいていた

「ああ、行き付けだ」

リゾットの低い声が、店の雰囲気に妙にあっていて、少し可笑しかった

「そんな店を私に教えても？」

「元々、¨お前のため¨の店だからな」

かちゃ、と、カップとソーサーが触れる音が耳に障った

店主の白髪がさらりと揺れて、その横顔が、一瞬だけ¨彼女¨と被って見えた

「……なるほど、通りで見覚えのある道だったわけか」

彼女と一緒に買い物に歩いた道だ。
懐かしいに決まっている。

……罪悪感を感じるに決まっている。

「バルザレッティ孤児院……4０年前に潰れた孤児院の土地をエルルーシャ・バルザレッティが立てた喫茶店だ……今は彼女の息子が経営してる」

息子が、こちらをちらりと見て照れたような表情で僅かに頭を下げた

その表情は、あまりに彼女からかけ離れていて、息子だと言う話に納得するように、私は笑みを浮かべて軽く頭を下げた

エリー───エルルーシャの夢だった。

院から出たら、小さくても良いから喫茶店を開きたい。と

照れたように頬を染めて、恥ずかしそうに、けれど芯の強い瞳で言う彼女を、思えば私は、いつも羨ましく思っていた

「会うか？エルルーシャ・バルザレッティに」

久々に、息の吸い方を忘れたような気がした

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