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18 JK ページ18

僕とAは一歳違いだった。



たった一歳、



それでもAは僕にとってヌナだった。



子供らしくて、



いつも自由で、



それでいて頼れるようなそんな存在だった。



大体のことはAの方がよくできて、



僕はAの後をついて行くだけでよかった。








僕は弱かった。



すぐに泣いてしまうような子だった。



Aはいつも僕のそばにいて、



「グクは私の後ろをついてきなよ。私が守るから。」



そう言って明るい笑顔で笑ったね。



だから僕は甘えてた。



本当はわかっていたはずなのに。








「ねぇ、ヌナ。どうして服汚れてんの?」



「さぁ、なんででしょう?」



「転んだから?」



「正解!早く洗わないとシミになっちゃうね。」








そう言ってなんでもないような顔をして笑うから、



黙って知らないふりをした。








毎日水に濡れたり、泥で汚れてた制服。



頻繁に待ち合わせの場所に遅れたり。



校内で見かけたとき、職員用のスリッパを履いている時もあったね。








そういう時、僕は見知らぬふりをした。



Aも知らないふりをしてくれて、



僕はホッとしてたんだ。








Aはいつだって僕を守ってくれたのに。



Aの何倍も大きい子達から僕を守ろうとしたり、



泣いている時は決まってそばにいてくれた。



なのに僕は、



こんな幼馴染いらないと思ってしまった。








最低な願い事。



そしてAは学校に来なくなった。



中学2年の秋のことだった。








それから僕が高校になるまでAの姿を見たことはなかった。



ただ夜遅くまで部屋に電気がついていて、



朝早くカーテンが開けられて。



そこにAがいるんだということが嬉しかった。








結局同じ高校になるまで謝りにも行かなかった。



理由はただ一つ。



怖かったから。








でも高校で出会ったAは、



「グク、久しぶり!イケメンになったねー。」



なんて笑って言った。








そう彼女は、



あの時の記憶を忘れていたんだ。



辛すぎたからなのか。



僕はそれを幸いだと思った。



そして、彼女をヌナと呼ばないようにした。



今度あんなことがあった時は僕を頼れるように。



同等になれるように。

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唯愛(プロフ) - ゆうき(作者)さん» ありがとうございます!良かったです!(*´∀`) これからも頑張ってください!うきうきして待ってます!www (2018年9月29日 14時) (レス) id: ed8735e017 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(作者) - アドバイス、ありがとうございます!そうですね、そうしてみようと思います。(楽してただけですから(о´∀`о)) (2018年9月29日 13時) (レス) id: 6ea6eca9ab (このIDを非表示/違反報告)
唯愛(プロフ) - こんにちは!お話読んでます!とっても面白いです!あのちょっと提案なんですが、お話の誰かが話している「」の前に例えばグクだったら JK「」とか グク「」という風に名前を表記したほうが読みやすいと思います!←偉そうにすいません。これからも頑張ってください! (2018年9月29日 9時) (レス) id: ed8735e017 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(作者) - はい、頑張ります! (2018年9月27日 13時) (レス) id: 6ea6eca9ab (このIDを非表示/違反報告)
みい - いえいえ、丁寧にありがとうございます!m(__)m あと、すごく面白いです、これからの展開が、すごく気になります(*'▽')頑張ってください!(^^)! (2018年9月27日 0時) (レス) id: 7b5dea59e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆうき | 作成日時:2018年9月25日 23時

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