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「あ、渡瀬」



『何ですか?』



「五十嵐徹という男と知り合いだったりするか?」



『、……』





その名前を聞いて手が止まってしまったのは仕方ないと思う


先生がそれを見逃すことなんて無いに等しく、

私の反応を見ては即座に近くにあった椅子を引っ張ってきて隣に置き、腰をかけた



…先生、何だか不機嫌そうだ

圧が強い気がする





『…昔、お世話になったことがあります』



「へぇ、捜査一課の人にか…

何したんだよ」





何したと言うより、

どちらかというと…



…なんかいやだ

あんまり、思い出したくない



でも喋らなきゃ先生が困ってしまう





『…五十嵐さんに、聞けば良いじゃないですか』



「聞こうとしたんだけど逃げられた」





返事をしてはみたものの


それは直ぐに返されてしまった





『……昔のことなんて良いじゃないですか。

先生だって徹底的に調べ上げたんでしょう?
だったら先生の知ってることが事実ですよ。


そんなことよりも、私達生徒は動画を撮った人物を探さなきゃいけない…

先生だってそんな暇ないはずですよね?』



「今がそのタイミングだから聞いてるんだけどな」



『……』





そりゃそうだ


じゃなかったら、こんな二者面談に近い状態になんてなってない




てか、何で先生知らないの?


先生の徹底ぶりは尋常じゃないから骨の髄まで知ってるはずでしょ?




本当に、知らないの…?

わざとだったりしない?


だったらもう、いっそのこと…

いや、でもだからと言って…


…言ったところで、何になるんだろう

他人の昔の話なんて犬も食わない話だ


それに、先生の時間が無駄になってしまう


こんなことに時間を使うなんて、あまりに勿体無い



でも先生は…


え、でも調べたんなら先生だって知って…





「おい渡瀬!!


……Aッ!!」



『…ぁ、』





色んな思考が頭の中で回り続けていたら、


名前を呼ばれたのが聞こえて

一気に意識が戻って頭の中がクリアになった



いつの間に俯いていた顔を上げると、先生は私の肩を掴んでいて

なんか焦った顔をしていた





「ごめん…」



『あ、いや…謝らないで下さい。

…でも、うん。少しだけ、時間下さい』





そう言って笑った瞬間、先生は目の前からキツく私のことを抱き締めた

首元辺りに頭をグリグリと押し付けて。


だけど、背中に回ったその腕は

なんだか少しだけ震えているような気がした







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(プロフ) - ごめんなさい、不謹慎だけど主人公冷静にツッコミしすぎて笑ってしまった笑 (2022年4月12日 0時) (レス) @page32 id: 4806b1b4dd (このIDを非表示/違反報告)
りん - 苗字で呼ばれるなら変換できるようにしてほしい!自分渡瀬じゃないんで! (2019年3月31日 4時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月17日 23時

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