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暫く中尾くんと喋っていたら足音が聞こえてきて

それが近付くと、今度は解錠音が聞こえた



ガラッとドアが開いた音が何処からかして


数秒後には先生が現れた





「あ、ぶっきー」



「…何だ、渡瀬こんなとこに居たのか」





私が下に居るとは思ってなかったらしく、目を見開いていた


そんな先生が両手に持っていたのは大きな袋



中尾くんは疑問に思ったのか、それを指差して、何それ?と聞いた





「何って、おにぎり」



「…何で?」



「里見と真壁が、そっちの方が良いって言ってたから」



「あいつら勇者かよ…」





あ、中尾くんもそう思うんだ


でもよく考えてみると、そんなことでわざわざ言いに来ない気がする



あの時は…

中尾くんの生存確認がどうのこうのって甲斐くん達が盛り上がってたから、多分それが本来の目的だったんだろう


その後に甲斐くんが中尾くん生存説を言ってたから、2人は何かしらを見つけて

中尾くんは生きてると踏んだ



…合ってるか自信ないけど





「で?お前らは2人で何してた」



「ふつーに喋ってた。

なぁ?」



『はい。たわいもない話してましたよね』



「…の割には距離が遠いな」





喋ったと言えど数十分。

人との距離感とか、そんな急激に縮められない



目の前で、そう?と言っている中尾くんを見ながらそう思った





「まぁいい。中尾、もういい時間だから寝ろ。

渡瀬も、上に戻るぞ」



「はーい」





上に繋がるハシゴを登ろうと足を掛けるが、

先生が思い出したように、あっ、と言ったので足を止めた





「その前に…

中尾、好きなの一つ選べ」



「え、マジで!?」



「お前らが最初の目撃者だからなぁ、特権だ」





目撃者と言ってはいるけど、

おにぎりの目撃者だ



中尾くんが嬉しそうに袋の中を覗いて選んでいる

その間に先生はもう片方の袋を私に差し出した





『…他の生徒と一緒のタイミングじゃなきゃダメじゃないですか?』



「…そーだった」





明日は準備室に居れば良い。とボソッと聞こえたけど聞こえなかったフリをしよう


そんなことしたら協力者と疑われてしまう。

そうなったら面倒臭くなるのは先生だ


迷惑はかけたくないから、黙って教室に戻るのが妥当…



昨日は早朝に教室に戻ったから、きっと大丈夫なはずだ





「じゃ、戻るか。

中尾、風邪引くなよ〜」



「おう。

じゃあな、先生、渡瀬。おやすみ」



「嗚呼、おやすみ」








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(プロフ) - ごめんなさい、不謹慎だけど主人公冷静にツッコミしすぎて笑ってしまった笑 (2022年4月12日 0時) (レス) @page32 id: 4806b1b4dd (このIDを非表示/違反報告)
りん - 苗字で呼ばれるなら変換できるようにしてほしい!自分渡瀬じゃないんで! (2019年3月31日 4時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月17日 23時

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