検索窓
今日:23 hit、昨日:54 hit、合計:668,598 hit

ページ43






しまった後も先生はその場を離れることなく、そこに座っていた


多分まだ聞きたいことがあるんだろう





「嘘吐いた時、隠す気無かっただろ」



『パスワードとか知りませんし、仕方ないですよね』



「…黙ってれば良かったのに」



『とりあえず何か言わないとなぁーと思って』





それを聞いた先生は呆れたように溜め息を吐いた


どういう意味で吐いたのかは、あまり考えないようにしよう





「じゃあさ、」



『はい』



「何でお前はフェイク動画を信じなかった?」





フェイク動画…

あぁ、今朝見たやつ



あの動画が出回った当時、確かにそれを見た

ネットニュースでも載ってたから、嫌でも目に入る





『基本的にネットは信じてないっていうのもそうなんですけど…』



「けど?」



『本人に聞いたからですかね、

これ、本当?って。

でも違うって言われたから、そーなんだなぁって思って…』



「…景山が、嘘を吐いてたって可能性は?」



『…確かに、それもあったかもしれない。

でもあの時の景山を見たら真偽なんて一目瞭然でしたよ』





あんなに必死に、泣く寸前の顔をして否定するんだ

何度も違うって首を振る勢いで


それに景山って、そんなくだらない嘘を吐くような人じゃない



それを先生に伝えると、先生はふわっと嬉しそうに柔らかく目を細めた


そして満足したのか、腰を持ち上げて救急箱を手に持って準備室に向かう




それを眺めていると先生が振り返って手招きをする


素直にそれに従って中に入ると、ガチャッと扉が閉まった


少し、薄暗い



ふと複数のモニターがある机を見ると

先生のスマホが置いてあった





『…先生』



「んー?」



『フミカさんって、景山と同じ目に遭った人だったりとかしますか…?』



「ッ、!」





先生の動きが止まった


…また、間違えた





『あの、忘れてくだ…』



「どうしてそう思った?」



『…え?』





片付け終わった先生は私の目の前に来て、じっと目を覗く

無言で、教えて?と訴えてくる





『なんとなく、です…』



「…そっか」





そう答えたら少し寂しそうな目をしていて


だけど何処か嬉しそうな目をして、頭をわしゃわしゃと撫でてきた



かと思えば先生は「いつまで突っ立ってんだよ〜」と笑って

いつの間に用意していた椅子をポンポンと叩いて、座るように促した




…間違えて、なかった?









・〜柊side〜→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (197 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
917人がお気に入り
設定タグ:3年A組 , 柊一颯 , 菅田将暉
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - ごめんなさい、不謹慎だけど主人公冷静にツッコミしすぎて笑ってしまった笑 (2022年4月12日 0時) (レス) @page32 id: 4806b1b4dd (このIDを非表示/違反報告)
りん - 苗字で呼ばれるなら変換できるようにしてほしい!自分渡瀬じゃないんで! (2019年3月31日 4時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月17日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。