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手当てしようとシャツを捲ろうとした時だった




目の前から先生の手が伸びてきた



驚いてしまって咄嗟に左腕を自分の後ろに引いて隠す


顔を上げれば、お互いに目を見開いてた





「えっ?」



『えっ?』



「…手当て、するんだけど」



『…汚れちゃうじゃないですか。

自分で出来るので大丈夫ですよ?』



「震えてる状態で何言ってんだよ…」





確かに震えは小さくなったけど、震えてることには変わらない

いや、だとしても血が付いちゃうじゃん


そう思って先生を見るものの、

先生も先生で引き下がらなそうな雰囲気だった





『あ、じゃあハサミ取ってくれませんか?』



「切るのか?捲れば良いだろ…」



『包帯やった後に崩れる気がするので』



「…分かった」





渋々と言ったような顔をして立ち上がった


その間にガーゼを取り出して、それを濡らしておく

一応、拭き取らなきゃね





「はい」



『ありがとうございます』





持ってきてくれたハサミを受け取って、傷があるであろう箇所を中心にシャツを切る

それからさっき濡らしたガーゼで血を拭き取れば、傷口が見えた


…縫わなくて平気だね、うん



そこに消毒液を垂らして、違うガーゼで軽く叩くようにして


絆創膏じゃ足りないから傷口を押さえる用の大きいやつをその上に置いて、包帯を…





「、慣れてるな…」



『…小さい頃、よく怪我してたので』



「…そう。てか、何でこうなった」



『傷の上に衝撃きたら、こうなりますよねぇ…』



「経由は?」



『割れた画材入れの破片がグサッと、

処置してないその傷の上に爆発した掃除ロッカーの蓋がバーン。

避けなかった私の責任ですね。自業自得です』




そう言って包帯を手に取って巻こうとするけど微震してて少しやりづらい

手に重りを置けば平気かな




「…包帯、貸して」



『え、でも…』



「いいから」





そう言って先生は軽く巻いた包帯を解いて、改めて腕に巻き始めたから、それを大人しく見ている


極力痛みを与えないように優しく巻いてくれてるのがよく分かる

そんな先生は真剣な顔だった





「…なぁ」



『はい』



「何であの時、嘘を吐いた?」





あの時


該当するのは多分、茅野さんの口を塞いだときだと思う





『…嘘吐かせたくなかったんです』



「茅野にか」



『はい』



「ふーん…

はい、出来た」





先生はそう言って、出したものを箱にしまった









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(プロフ) - ごめんなさい、不謹慎だけど主人公冷静にツッコミしすぎて笑ってしまった笑 (2022年4月12日 0時) (レス) @page32 id: 4806b1b4dd (このIDを非表示/違反報告)
りん - 苗字で呼ばれるなら変換できるようにしてほしい!自分渡瀬じゃないんで! (2019年3月31日 4時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月17日 23時

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