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美術室に入って準備室に向かう先生の背中を眺めていたら、廊下から数人の足音が聞こえてきた





「待てよ!」




来たのは甲斐くん達で

走ってきたのか、少しだけ疲れているようにも見えた





「中尾はどこだ!」



「俺達を脅すために殺したように見せかけただけだろ!?」





そういえば甲斐くん達は中尾くんが生きてるって思ってたんだっけ

教室でそんなこと言ってたなぁと思い出していたら、


先生が甲斐くん達に背を向けながら笑った





「何が可笑しい!?」



「俺は、優しい人間に思われてるんだなぁ」



「あぁ?」



「ちょっと待ってろ」





そう言って準備室に入って行ってしまった


そして何かを手にして来たかと思えば、それを投げた




…あ





「ッ、!?」



「うわっ、…」



『、…』



「…中尾のだよ」





落ちたのは手首から下



これはちょっと、キツいかもしれない

あ、だめかも


…でも、なんか違和感





「ホルマリン漬けにすれば死臭も少ない。

丁度明日には、全部切断出来る。


…やるよ」





そう言って先生はそれを差し出した

けど甲斐くん達はそれに怯えて逃げるように美術室を出て行った



…もし仮に、先生が本当に中尾くんをバラバラにしたとしたら

それは先生のやりたいことと矛盾している


先生は、景山の死を通して私達に何かを伝えようとしてるんでしょ?

きっとそれは生徒全員に対して…





「渡瀬、…渡瀬?」




それに、先生は

この日のために半年を過ごしたんでしょ?


だったら、そういうものが用意されていても…





「わーたーせー」



『、…はい』



「あれ、お前あーいうの無理だったっけ?」



『…いや、平気です』





顔を上げて先生の手を見てみれば、その手は気付いたら無くて

代わりに救急箱があった。



あ、そっか

怪我してたんだっけ


あー、思い出したら痛みまで思い出しちゃった




先生が机に救急箱を置いたから、その近くにあった椅子を持ってきて座る


セーターを捲ると、やっぱりシャツは血で染まってて

でも時間が経っていたから赤黒くなっているところもあった。




…傷口見てないけど、まぁ大丈夫でしょ








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(プロフ) - ごめんなさい、不謹慎だけど主人公冷静にツッコミしすぎて笑ってしまった笑 (2022年4月12日 0時) (レス) @page32 id: 4806b1b4dd (このIDを非表示/違反報告)
りん - 苗字で呼ばれるなら変換できるようにしてほしい!自分渡瀬じゃないんで! (2019年3月31日 4時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月17日 23時

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