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「分かってんだよ、お前は誰も殺さない
いや、殺せない。

中尾だって生きてんだろ?
今の爆破だって、わざと誰も居ない所を狙ったんだろ?

お前は俺達を殺せない…」





…良かった、気付かれてない

一回だけ諏訪さんがこっちを見た気がするけど気付かなかったフリをしよう


てか、どのタイミングで中尾くんが生きてるって自信持てたんだろう

準備室に入ってない気がしたんだけど…





「だったら試してみるか。

…お前がそこから一歩でも動いたら、ボタンを押す」





そう言って先生は腕時計を向けながら甲斐くんを挑発する

ハッタリだと思うならリモコンを取り返しに来いよって


その言い方や表情は、短気な彼にとっては十分な爆発材料だった





「てめぇ…」





周りが止める声なんて耳に入ってないようで、先生に一点集中している


…爆発したら上が崩れてくるから、誰かの上に覆い被されば少なくとも数人助かるかな

でも教卓があるから、そこに入るだけ押し込んで、頭を守らせれば大丈夫か

あとは被害が少なくなるように近くの人の背中を押して前に出せば、最悪重傷で済むかな





「名乗り出ればいいんでしょ!?」





気付いたらそんな声が聞こえて、諏訪さんが甲斐くんより前に出て先生にそう言っていた





「言ったよね、澪奈のフェイク動画の投稿者が名乗り出れば、今日死人は出ないって。

てことは、そいつがやったって自白すれば、
私達は助かるってことだよね」



「そうなるねぇ」





その先生の肯定を合図に、次々と声が上がる





「誰なのよ…さっさと名乗ってよッ!」



「分かってんでしょ!?

みんなが助かるには、あんたが名乗り出るしかないんだよ!!」



「誰か分かんないけど、お願いだから助けてよ!!」



「もうあんな投稿気にしないからっ…
死にたくないっ…」



「早く言えよ!!」





投稿者が自白するように、色んな言葉が飛び交って

その人に強く刺さる


ドアの方で身を縮めている茅野さんは、みんなが分からない誰かを探している中で

宇佐美さんを見ていた



そして取り出したのは、青いハンカチ

それをギュッと握って覚悟を決めたような目をしていた


…そっか、宇佐美さんか

でもね、茅野さん





「私で__…んんっ!?」



『私です』





あなたが庇うことないんだよ





『私がやりました』





こういうのは、あなたがやるべきじゃない








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(プロフ) - ごめんなさい、不謹慎だけど主人公冷静にツッコミしすぎて笑ってしまった笑 (2022年4月12日 0時) (レス) @page32 id: 4806b1b4dd (このIDを非表示/違反報告)
りん - 苗字で呼ばれるなら変換できるようにしてほしい!自分渡瀬じゃないんで! (2019年3月31日 4時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月17日 23時

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