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殺したのか。

甲斐くんの問いに先生は答えず、再びマイクに話しかける





「…これで、大人しくしてもらえますか。

それともまだ、死人を増やしますか…」





その言葉は、甲斐くんの問いに答えたも同然だった


紅く染まった手でパソコンを閉じ、先生は教卓に立つ





「今日の授業は、これで終わりだ。
お疲れさま。

茅野、ノートパソコン持って来い。渡瀬も」



「えっ…」





そう言って先生は、中尾くんに泣き縋る彼女を退かし

引き摺って運んだ





「…渡瀬、扉開けて」



『…はい』





背中の痛みを堪えて立ち上がり、ドアを開けたらお礼を言われた


そして茅野さんに目を配れば彼女は小さく頷いて、私同様に立ち上がってパソコンを持って教室を出る



立ち尽くすクラスメイトの視線に耐えながら教室を出るのは

少しだけ勇気が必要だった















美術室に着けば、まだ先生は中尾くんを引き摺っていた





「そこに置いておいて。渡瀬、扉」





今度は準備室のドアを開けるように言われたから少し走って開けておく

あとは先生がどうにかするだろう


茅野さんの所に戻れば、彼女は絵を眺めていた





「これって…」





切り刻まれた景山の絵だ。


そしてその絵を退かすと



背景がオレンジ色の笑った景山の絵が出てきた。

あたたかく、柔らかい


こんな景山を見たのはいつだったか…





「もういいよ」





不意に聞こえた冷たい声


振り向くと先生がそこに立っていた





「もう、戻っていい。渡瀬は残れよ」





茅野さんは立ち上がった



















茅野さんが出て行ったら、先生は私の方に向かってくる

目の前で立ち止まった先生は、また優しい目をこちらに向けてきた





「腕と背中…」



『…え、』



「ぶつけたろ。ごめんな」



『あ、いえ…大丈夫です』





背中はともかく、腕まで気付いてたのか

あ、だから投げた時にごめんって…





「湿布、持ってくるよ」



『いや、本当に大丈夫です。放っておけば治ります』



「…そうか」





そして訪れる沈黙

対面してるのに沈黙とか、なんかお見合いの気分だ





「あの、先生。何もないなら…」





戻ります。そう言おうとしたのに、



背中に腕が回ってきて、


抱き締められた

ふわりと先生の匂いが香ってくる。



先生は私の肩に顔をうずめて言った





「あまり、死ぬとか言うなよ…」





その声は震えていた




…何で?









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(プロフ) - ごめんなさい、不謹慎だけど主人公冷静にツッコミしすぎて笑ってしまった笑 (2022年4月12日 0時) (レス) @page32 id: 4806b1b4dd (このIDを非表示/違反報告)
りん - 苗字で呼ばれるなら変換できるようにしてほしい!自分渡瀬じゃないんで! (2019年3月31日 4時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月17日 23時

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