検索窓
今日:60 hit、昨日:41 hit、合計:668,676 hit

ページ21







「いいか、聞け!!

何故!景山澪奈は死ななければならなかったのか!!

これから、彼女の生き様を通して、
お前らの考えが如何に脆く、弱いものなのか!

思い知らせてやる」



「ふざけんじゃねぇ…

ふざけんじゃねぇよ!」



「そして、変わるんだ!

悪意に塗れたナイフで、穢れなき弱者を傷付けないように!変わるんだよ!!


変わってくれっ…」





今まで爆発させて怒鳴っていた人物とは思えないほど弱々しく、願うように、

泣きながら先生は頭を下げた


異様。

ぐちゃぐちゃの教室には似つかわしくない空気


先生は心の底から訴えているんだと理解した。


…理解は、した




静かで異様な沈黙の中、何かの警告音みたいなのが大きく鳴った

先生はハッと顔を上げ、状況を理解したのか、服に仕掛けてあるマイクに喋りかける





「警察の皆さん、言ったはずですよ。

次の指示を出すまで待っていて下さい、と。

大人しくしていなければ、生徒達の命は保証しない、と。


いいでしょう。そちらがその気なら…

最初の犠牲者はお前だ」





そう言って先生が捉えたのは目の前にいる中尾くんだった。





「っ、蓮!!」



「離せっ、離せよ!!」





叫ぶ水越さんにも、抵抗する中尾くんにも耳を傾ける事なく、先生は殴って、投げ飛ばして、気絶させた

そしてその上に跨ってポケットから没収したナイフを取り出して構えた





あ、マズい


脳がそう判断したら、体は直ぐに動いた



目の前の机を退かして障害物を無くし

最短ルートであろう机の上に上がって跳んで、先生の所まで急いだ





「……」



『先生、流石に彼女持ちは駄目でしょう』





気付けば、先生の手首を掴んでいた

振りかざされて、刺さる手前


咄嗟に握った場所がそこだった





「…離せ」



『彼が死んだら、水越さんが悲しみます。

あと先生の罪も増えて釈放されるまで長くなります』





先生には申し訳ないくらい強く手首を握るけど、

やっぱり男女の力差、ましてや大人と子供の差は大きかったみたいだ





「…ごめん」


『え、…っ、』





先生に投げ飛ばされて教卓に背中を強打した


その間に先生はナイフを、刺した



教室に響く悲鳴

体勢を直して中尾くんを覗くと


ナイフ周辺のシャツは紅く染まり、

水越さんが震えた声で、嘘でしょ…と呟いて中尾くんに駆け寄った









・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (197 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
917人がお気に入り
設定タグ:3年A組 , 柊一颯 , 菅田将暉
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - ごめんなさい、不謹慎だけど主人公冷静にツッコミしすぎて笑ってしまった笑 (2022年4月12日 0時) (レス) @page32 id: 4806b1b4dd (このIDを非表示/違反報告)
りん - 苗字で呼ばれるなら変換できるようにしてほしい!自分渡瀬じゃないんで! (2019年3月31日 4時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月17日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。