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教室の扉が開く音がして顔を上げたら、先生が入ってきた

…もうそんなに時間が経ったのか





「どう?考えはまとまった?」





そう言って先生は茅野さんの机に両手をつき、顔を近づけて問うような視線を送る





「もうちょっと…」



「間違ったら誰か死ぬんだ、答えたくない気持ちは分かる。でももう8時まで時間がない。

答えられなきゃ、この教室ごと木っ端微塵だぞ」





時計を見れば7時45分

制限時間まであと15分…





「さっきの言えば良いんじゃない?」



「あれで良いと思うけど」



「私も」





それでも茅野さんは黙ってる

きっと、迷ってるんだろう。彼女も





「さっさと言えよ!!」





なかなか言わない茅野さんにイラついたのか甲斐くんは机を蹴って大きな音を立てた

プレッシャーが凄くかかる状況に、茅野さんは震える声で話し始めた





「景山澪奈は…今年の全国大会でドーピングしたことがバレて自 殺した」



「…それがお前の答えか。

それで良いんだな?」



「しつけーな、いいに決まって…」



「茅野に聞いてんだ!!」





初めて、先生が怒鳴るところを見た

こんなに声を荒げる先生を初めて見た


誰も見たことのない先生に教室の空気が凍った





「お前が、景山の何を見てきて、何を見てなかったのか
よく考えるんだ」



「…今更何を言ったところで、澪奈は帰ってきません」



「確かに。景山を失った過去は変わらない。
でもこれからのお前を変えることはできる。

自分自身で考えて、答えを出すんだ」





…先生は、生徒を変えようとしているのかもしれない

だから茅野さんに考えさせて…


いや、それも違う…のかな…





「あのさぁ、なんか2人の世界に入ってるけど、もう答えは出てるから。
澪奈は水泳界のプレッシャーに押されてドーピングを….」



「違う!

澪奈が自 殺したのは、そんな理由じゃない」





今まで、ずっと頷いていた茅野さんが

勇気を振り絞るように、反論した








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(プロフ) - ごめんなさい、不謹慎だけど主人公冷静にツッコミしすぎて笑ってしまった笑 (2022年4月12日 0時) (レス) @page32 id: 4806b1b4dd (このIDを非表示/違反報告)
りん - 苗字で呼ばれるなら変換できるようにしてほしい!自分渡瀬じゃないんで! (2019年3月31日 4時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月17日 23時

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