僕は君のヒロイン

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「…着いた、ここ俺ん家」

「……いや、1回来たことあるし覚えてるよ」

「…あっ確かにそうだな、2回目か」


その1回とは、俺たち2人ににとって今でも忘れられないCDデビューが決まった２日後の事だった。


〜

2月12日


" CDデビュー決定〜！！！！ "


この発表と共に感極まって震えながら、抱き合うメンバーたちとそれを見て泣き崩れるファンの子たちの声にならないような歓声


嬉しさのあまり横を見上げると、長年苦楽を共に過ごしてきた藤ヶ谷の笑顔が、今まで見てきた中で1番の輝きを放っていて、その顔を見た瞬間見える世界が一気に色付き始めたのを感じた


" 俺たちの名前は〜？？ Kis-My-Ft2〜！！"



そこから無事にアンコールも終え、定番のコールも今日は一段と大きな声援とともに幕を閉じた


¨以上をもちまして本日の公演は…━━━¨



ファンの子達のメンバーを呼ぶ声が所々から公演が終わっても聞こえてくる。俺もまだ興奮が冷めやまなくて、しばらく舞台袖からその様子を眺めていた



「……きたやまっ！！」



急いで駆け寄ってくる足音と後ろから俺を呼ぶ声が同時に耳に届いて、振り返ろうとすると、その動きは次の瞬間、背中への衝撃と共に俺の身体は後ろから抱えこまれていて、身動きが取れなくなる



「…やったよ、、ついに俺たちデビューだよ…」



俺の耳元で呟いた声は、いつものわんぱくな藤ヶ谷からは想像出来ないくらい、か弱い声で泣いている事が分かり、つられて俺の頬にも自然と1粒の涙が伝った



「……俺たち諦めないで、頑張って良かったな、、藤ヶ谷ありがとう……ｸﾞｽ」



涙ながらに答えるのに必死で自分がまだ衣装のままの事を忘れ袖口で急いで目をぐしぐしと拭っていると、後ろからハグしている形の藤ヶ谷にはお見通しだったみたいで、せめて顔を見られないように下を向く



「…北山も泣いてる？⋯こっち、向いて？」



後ろから俺の身体を回っていた腕を解かれ、優しく手を引くもんだから、素直に従って藤ヶ谷の方に向き直り顔を上げる


「…ふふっ、俺たち顔ぐしゃぐしゃだね(笑)」



そう言って笑う藤ヶ谷の顔が可愛くて、俺も笑っていたら、いつの間にか藤ヶ谷との顔の距離が縮まっていて、俺の唇は奪われていた

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