僕は君のヒロイン

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" もう少しだけ一緒にいたい"


確かに藤ヶ谷はそう言葉にした




「……、！？」



「…ちょっ、黙るのやめてよ(笑)せっかく久しぶりに会えたんだし、もう少し話したいじゃん？って事！」



「……あっあぁー、！そういう事か！！(笑)じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな」




おれ今、絶対顔赤くなってる。だけどきっとこの冬の寒さが味方をして隠してくれている




「…行くよ北山、家こっち」


「…おう、ありがとう」




握られていた手を離され、先に歩み出した藤ヶ谷に小走りで追いつき、歩幅を合わせながら少し後ろを歩く。




「……へっｸｼｭｯ！」


「大丈夫？？長いこと外にいたから風邪ひいたんじゃない？」


「…いや、多分大丈夫… …ｽﾞｽﾞｯ」




鼻を啜っていると目の前の藤ヶ谷がいきなり立ち止まり振り返ってきたから、俺も自然に見上げると、藤ヶ谷の綺麗な指が俺の鼻に伸ばされる様子が脳でスロー再生される




「…北山、鼻真っ赤っかだね、、かわい」


「………ッ///」




トントンと俺の鼻を軽く指で触ったあと、最後にきゅっと少しつままれた。しばらく何が起こったのか思考が追いつかず、さっきから自分の鼓動の音が鳴り止まない




「……おっ、まえ、、誰が見てるか分かんないのに…///」



「こんな夜中に誰も見てないよ、…あっ雪だ」





そんな俺の心も知らず目の前の男は余裕そうな顔をしながら、静かに降り出した雪を眺めていた。




「……今年の冬は寒いね、北山」




寒そうに手を擦り合し、自分の手に息を吹きかけて歩いている藤ヶ谷を見た次の瞬間、俺は咄嗟にその手を掴み、そのまま藤ヶ谷のポケット中を繋いだ二つの手が盗んでいた。

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