BE ALIVE 〜強く、生きる〜 その弐

episode85 ページ41

知念side




痛む足を必死に動かして、みんなの後をついていく。



やっとの思いで階段を登りきった先には…





ドサッ…




ゆっくりと地面に倒れる、涼介と黒澤の姿が。





知「りょうすけぇええ！！」




もう、痛みなんて感じない。


ただひたすらに涼介の元へ向かった。




知「涼介！？大丈夫？

りょうすけっ…返事してよっ…」




返事が…ない。



それを脳が確認すると同時に、無意識に透明な液体が頬を伝う。






泣くなよ…


僕はもう、弱虫じゃない…


そう決めたじゃないか…！！






そんな思いとは裏腹に止まることを知らない涙。





涼「ち…ねん…。

泣かない…で？」



知「…！！涼介っ！！」



涼「ちねん…足…ケガ…大丈夫…？」



知「大丈夫…大丈夫だよ！

それより涼介は？大丈夫なの？」



涼「なんとか…。

てか…黒澤…は？」



光「泡吹いて気ぃ失ってる。

もう、戦闘不能だ。


…この勝負、山田の勝ちだよ。」




黒澤の様子を見ていたひかが、そう言ってニカッと笑えば、安堵の表情を浮かべる涼介。




涼「じゃあ…大ちゃん…は？」



知「もう…少しは自分の心配しなよ。」




ほんと、優しすぎるんだよ。涼介は。




裕「大ちゃんは大丈夫だよ。

軽い脳しんとうを起こしたみたい。

意識はあるから、1日安静にしてれば問題ないと思う。」




今度は大ちゃんと会話してたゆーてぃが答える。




涼「そっか…よかったぁ…！」




そう言って天使のような笑顔を見せる涼介。



…だけど次の瞬間、一気に険しい顔になって苦しみだした。

episode86→←episode84

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す