BE ALIVE 〜強く、生きる〜 その弐

episode63 ページ18

大貴side




光が山田を見つけたらしく、今そこへ向かっている。



裕「あっ！大ちゃん、あそこ！」




裕翔の指差す先には、山田の姿が。



優馬とケンカしているようだ。




大「…！！

…裕翔、雄也。先行ってて？」



雄「え？有岡くんは？」



大「ちょっと…用事思い出した。」




背後に嫌な気配を感じた。



この感じは…



あいつ。





『黒澤』





裕「わかった。

でも、早く来てね？」



大「おう。」




二人を先に行かせる。



しばらくすると、物陰から一人の男が出てきた。




大「やっぱり、お前か。」



黒「こんにちは。有岡くん…だったか？」



大「なんでここにいる？」



黒「飛龍の奴ら、一人誘拐しようと思って。」




そう言うと黒澤はニヤッと笑った。




大「なんだと？」



黒「安心して。

今回はあきらめたから。」



大「…は？」



黒「中山優馬…


あいつのせいで俺の計画が台無しだ。

なんてタイミングの悪い野郎だ。」




そう言って少しだけ悔しそうな顔をする黒澤。



どうやら、優馬が来たことで俺らがいつもと違う動きをしたため、計画をやめたようだ。




黒「また後日、会いにくるよ。

その時は覚悟しとけよ？」




不気味な笑顔を浮かべて立ち去ろうとする黒澤。




大「待て！

これ以上好きにさせてたまるか！


…ここで決着つけてやる！！」




黒「いいか？

一つだけ言っておく。



お前らは眼中にねぇ。


俺の眼中にあるのは、山田涼介ただ一人だ。」



大「なんだと…！？」



黒「雑魚に用は無い。

…じゃあな。」





その言葉を最後に、黒澤は、風のようにいなくなった…

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