my self . Ⅰ【ドラコ・マルフォイ】 (ページ37)

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「君って凄いや……」

中に足を進めると中身ロンがそう呟くのが聞こえた。
私はでしょ、と片眉を上げて言い彼らに早く入るように促した。

スリザリン寮はハッフルパフの寮とは違いどっしりとした空気感があった。クリスマス休暇で人が少ないのもあるだろうけど…

「3人で揃って随分仲がいいじゃないか」

寮をまじまじと見ながら入る私達に突然言葉が投げかけられた。ドラコだ。
ドラコは真っ黒なソファーにどしんと座っていた。

私達が困惑して沈黙していると、ドラコが不審そうな顔でこちらを見たので中身ハリーが急いで口を開いた。

「廊下でたまたま会ったんだ」

ドラコは目でそう言ったのを確認するが何も言わなかった。中身ハリーは完全に無視されたのだ。
私達は恐る恐るソファーに近づき、座ろうとする。

私がドラコの正面に座ろうとすると、中身ロンがドラコの隣に行けと言わんばかりの表情をしたので、私はゆっくり彼の隣に腰を下ろした。

座ってからはしばらく沈黙。ドラコがかもし出す険悪な雰囲気に言葉が出せずにいたのだ。

私も同じように黙っていると、中身ハリーが口パクで''話しかけて''と言う。私は意を決してドラコに近付いた。

『…ねえドラコ、どうしたの？そんな顔して』

私の努力も虚しくドラコにさらに不審な目で見られる。もしかして、距離がまだ遠いのかな？私は勘弁して…と思いながら、恐る恐る彼の腕に自分の腕を通した。

『ねぇってば』

中身ロンは今にも吹き出しそうだ。私は笑わないで！と言わんばかりに全力の表情で伝えた。
すると、今まで黙っていたドラコがやっと口を開いた。

「お前達、最近Aを見たか？」

私は頑張ってしたことが無視されたという事よりも、ドラコが言った言葉を聞いて驚き思わず彼の横顔をじっと見つめていた顔を反対側にぐいっと逸らした。

「…いや、みてないよ」

中身ハリーが少しおどけながらだがそういうと中身ロンも頷く。私は逸らした顔をゆっくり戻し、ドラコに質問する。

『どうして？』

「競技場の時だ。覚えてないのか？僕がグレンジャーの奴に穢れた血と言った時」

私と中身ハリー、中身ロンは目を合わせた。

「あの場にAがいることを忘れた」

どしんと座ったままだが、目線を下げて言うドラコの表情から反省の色が少しばかり見えた。
私達は何を言ったら良いのか分からず黙ったまま。

「それからろくに会わないし話せてない。僕は嫌われたのか？」

そう言いながら眉間に皺を寄せて足を組みなおすドラコ。
私が静かに困惑している中2人は今にも吹き出しそうだった。

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