my self . Ⅰ【ドラコ・マルフォイ】 (ページ3)

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父上と店を出ると、最初にディゴリーと店へと入った男とすれ違った。

ディゴリーの父親だろうか？

「…さっきの子はディゴリー家か。」

通った人を横目に見て父上はいい、しばらくしてふたつ上の兄がいたはずだ、と言葉を続けた。

「今のでわかったのですか」

「ああ。純血で整った容姿、関わって損は無い。
　ただ、きっとハッフルパフだろう。
　…もしお前が気に入ったら考えてやらんでもない」

淡々と話す父上の横でただそれを聞いていたが、最後の言葉で思わず反応してしまう。

きっと、父上が言っているのは僕の許嫁の事だろう。

……整った容姿だとしても、所詮ハッフルパフだ。

僕もそこまで惚れっぽい訳ではないし今後一切関わることもないだろう。

__________

しばらくして。

ついに待ち侘びた入学の日。みんなが列車に入っていく中、私は兄のローブを掴んだまま動けずに居た。

「A？怖いなら僕と一緒に乗る？」

「ダメよ、同年代の子と話せるようにならなきゃ」

動けずにいた私を心配した兄のセドリックが私に話すが、すぐに母によって消されてしまう。

そんな母の言葉を聞いてセドリックが組み分けに緊張しているんだよと返す。

「さあ、2人とも早くしないと席がなくなってしまうぞ。
A、Aなら大丈夫だよ」

父がそう言って私たちの背中をポンッとおしてきた。

「大丈夫だよ、すぐ会える」

セドリックのその言葉を信じて、私達はそれぞれ別の入口へと入った。

『空いてるといいけど…』

あいにくほぼ満席で、しばらく列車をずっとさ迷っていた。

一つ一つの窓を覗き中を確認していると、見覚えのある金髪が見えた。

3人座っていたので、一瞬通り過ぎたが慌てて足を戻す。

『マルフォイ？』

あちらもこっちに気付いたようで、ドアを開けてくれた。

「久しぶりだな。席を探しているのか？」

マルフォイがすかさず聞いてくれたのでええ、と返す。

『でも大丈夫よ。…その、男の子3人のところに入るのは申し訳ないもの』

私の答えにマルフォイが考える素振りを見せると、マルフォイの正面に座っていた男の子が口を開いた。

「マルフォイ、この子と知り合いなの？」

「ローブを買った時に会ったのさ。」

『私はディゴリーよ。よろしくね』

私がそうやって手を差し伸べるとその子は頬を少しだけ染めて握り返してくれた。

「僕はクラップ。こっちがゴイル。」

隣の子もうんうんと頷く。

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