my self . Ⅰ【ドラコ・マルフォイ】 (ページ19)

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ハロウィーンの朝、甘いパンプキンパイの香りに誘われ私達はいつもより早く部屋を出た。

大広間に向かっていると、みんなも同じなのか早い時間にもかかわらず沢山の人が歩いていた。

大広間につくと、私は目を輝かせた。机いっぱいのお菓子にパンプキンパイ、ハロウィーンらしく飾られた天井。
これにはいままで半寝だったハンナも思わず目を見開いてしまったみたい。

席について食事をとっていると、早朝だからか少し静かだったテーブルが次第に賑やかになってくる。

『パンプキンパイだけを食べていたい』

思わず頬に手をあてて呟くと周りがどっと笑いに包まれ、スーザンが笑いながら次に口を開く。

「Aって可愛いのね」

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夕食前、大広間のテーブルに座って話をしていると突然誰かから肩を叩かれた。
私が振り向くと、そこにはグリフィンドールのパーバティーとラベンダーがいた。

「ごめんなさい、私達ハーマイオニーと同じ部屋なんだけど午後からずっと彼女を見ていないの。Aなら知ってると思って」

ええっハーマイオニーが？と私が言うと2人は頷いた。
ハーマイオニーが授業をさぼったり夕食前に大広間に来ないなんて、違う寮だけど普通ならありえないことだとすぐにわかった。

『私、探してくるよ』

そう言って立ち上がると2人はありがとう、と言った。
長テーブルと長テーブルの間を歩いて出口へ向かっていると、今度は横から手を掴まれた。

「A、どうかしたのかい？」

もう少しでご馳走の時間だぞ、と言葉を続けるセドリック。きっと大好きなご飯の時間に出歩くわたしを不審に思ったんだろう。

『友達がいなくなっちゃったの』

私がそう言うと、ああ…と言わんばかりに納得した表情になって私の手を離し、ハロウィーンのご馳走には間に合うようにねと私に言った。

しばらく歩いて女子トイレに探しに行くと、誰かのすすり泣く声が聞こえた。

『ハーマイオニー？』

一つだけ閉まっているドアをノックし、恐る恐る尋ねると細い声で返ってきた。

「A？」

そう、と彼女に応答すると彼女はまた泣き始めた。

『何があったか私には分からないけど、…もうすぐご馳走の時間だから気が楽になるかもしれないわ』

今朝のパンプキンパイ出るかな、と話を明るい方に持って行こうと試みたがその努力も虚しくハーマイオニーは悲しそうに呟いた。

「ごめんなさい、ありがとう。でも今はひとりにして」

これ以上ここに留まるのも彼女の為じゃないと感じたので、私はその場を後にした。

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