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牡丹30 ページ30

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本部に戻ってから和装に着替えて、改めて若様のところに向かった


まだ眠っているさかたが既にいる頃だろう





「失礼します」




軽く障子を明けてから、中に入る

やっぱり今日も若様は人払いをしていて、1人いつもの椅子に座っていた



そして、無造作に畳に放り投げられているのは赤髪のさかただ





「まふまふ様。どうか護衛はつけていてください」



「キミが戻ってくれば解決する話でしょ?
早く戻らなかったのはAだ」




そんな無茶な…


私はあなたに頼まれてこの男を連れてきたというのに






そんな私の不満をまるっと無視して、若様は手招きをした



私は顎を引いて、さかたの脇を通って若様の元まで向かう





若様は冷めた目をして私を見上げ、どこまでも綺麗な笑みを浮かべた




「ここに座って」




そう言って、若様はこともあろうことか自分の膝の上を指し示した


つまりイスに座る若様の上に座れと言われたのだ



そんなこと出来る話じゃない

いくら本人がいいと言おうが、私には私の立場というものがあるんだ



若様が許可すれば私の行いが、なんでも許されるわけじゃない





「……む、無理です。さすがにまふまふ様の上に座るのは、下のものとして出来ません」



「僕がそうしろって言ってんの」



「いや…でも…。」



「うわぁ……そうやって力にものを任せて言うから、Aに逃げられるんやろ?」





急な関西弁に、若様から視界をずらしさっきまで彼が倒れた方へ見やった



彼ははしたなくも畳の上でくつろいでいて、しっかりと開いた目で私と若様を捉えていた






「逃げる?Aが…?
お前のような軽い関係じゃないから。

そうでしょ、A」




「そうです」





それに関しては私もそう思う

若様はかなり横暴だけど、全てに意味があると私は思っているし

こうした一見ワガママに見えるこれにも意味があるのだろう




ただ、毎回毎回私が叶えられるわけじゃないという話だ







「余裕ぶっこいてると、ホンマに色んなもの見失うぜ」




「余計なお世話だ」

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鈴凛(プロフ) - さ凄く好きです!! なんなんですか、文才ありすぎでしょう。 更新頑張ってください! 楽しみに待っています! (2021年1月4日 0時) (レス) id: 7339462afc (このIDを非表示/違反報告)
もろこ - もう好きという感想しか出てこなくなってしまいました好きです............更新めちゃんこ楽しみに待ってます!!!!! (2021年1月2日 3時) (レス) id: 132f83efa1 (このIDを非表示/違反報告)
優鈴(プロフ) - パールさん» いえいえ、!間違いは誰にでもあるのでだいじょぶですよ〜!(о´∀`о) (2020年12月31日 1時) (レス) id: 947ace3b30 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - 優鈴さん» ありがとうございます(泣)。早急に直させていただきました! (2020年12月31日 1時) (レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
優鈴(プロフ) - 順番がぁ……!20、23、22になっちゃってますよ、! (2020年12月31日 1時) (レス) id: 947ace3b30 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とぁ&パール x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年12月25日 20時

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