28.息抜きの家族会 ページ28
・
「A!今日もランナーお疲れ様!」
今日でちょうど一週間。
他のランナーとも仲良くなり、なんとかやっていけてる。それも全て、ここにいる仲間のおかげだ。
「う、うん。チャック、いつも一番に言ってくれるけど疲れない?」
「いや全然!Aが帰ってきてくれるのが嬉しいからね!」
無邪気に笑う彼は、Aの隣を歩きながら言う。彼にも随分助けられたものだ。彼がそう言ってくれるから、先程まであった疲れが何処かへ行った。
気が緩むのは仕方がない。
・
Aはこの場所に慣れ始めていた。
周りは皆んな優しい人ばかりだし、配慮もしてくれる。やはり女だからというのは、彼女も周りも認めた上での生活だ。
だがそれ以前に、男たちは彼女自身を認め始めている。進むものは進んでいくし、彼女に対する印象も変わっていく。
「おかえりA。そろそろ夕飯だから、そこに座って休んでてくれ」
「ただいまニュート。最近皆んな過保護すぎ。アルビーなんて最近じゃ親みたいだし…」
「ははは、それは分からなくはないな」
そろそろ日が落ち終わる。
アルビーたちは火を起こして、夜の準備をしているが、ニュートはここに居ていいのだろうか。
「……ん?それってどっち?」
ニュートは考えるポーズをとって、Aの隣に座った。
「どっちもって言いたいところだけど。…やっぱり俺もアルビー側かな」
骨格を上げて涼しげに笑う彼。
何かと気にかけてくれるニュートだが、それはニュート自身、習慣に近いものになっていた。
そしてAも、それを嫌がらず、逆に彼を頼りにしていている。周りから見ても兄妹か、恋人、親友だと思われても仕方ない。
それほどに、この場所と仲間をニュートをAは好きになっていたのだから。
「………母さん」
「ふはっ……どうした娘よ」
笑いながらノってくれる。これも彼の良いところだ。
「父さんとはどんな感じ?」
「んー。最近は何もないなぁ」
「へぇ…不満?」
「いんや、いまは娘の世話が大変で」
「‼、やめてそれは聞き捨てならない」
「ははは」
ニュートは悪かったと、不貞腐れるAの頭を撫でた。彼女も彼女で、それも世話かと彼の手を退けた。そこに、1人の男がやって来る。
「おい、そろそろ夕飯だ」
その声にハッとすれば、思わずニュートと顔を見合わせる。
「…なんだ、何かあったのか?」
「いやちょっとした悩み相談」
「肌の荒れがなぁ」
???
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未確認生物(プロフ) - あの、メイズランナー大好きです。私も書きたいと思ってます! (2021年1月19日 21時) (レス) id: 1ab2c3b0b2 (このIDを非表示/違反報告)
めろん - はい!頑張ってください!待ってます! (2019年6月20日 17時) (レス) id: 5764f95332 (このIDを非表示/違反報告)
おわに(プロフ) - ありがとうございます!更新は遅めですが、これからもよろしくお願いします!! (2019年6月17日 22時) (レス) id: 418a4a3702 (このIDを非表示/違反報告)
めろん - 更新楽しみにしてます! (2019年6月17日 22時) (レス) id: 5764f95332 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おわに | 作成日時:2019年5月13日 2時