Day 11 ページ11
り「……A、今彼氏とかいる?」
「えぇ!?なんで?」
ふふっと口を隠して笑いながら俺の目をじっと見つめる。
そういや数年前、まだとしみつとAが付き合っていた頃にとしみつから聞いたことがある。
と『Aって嘘ついたりそうじゃないようなこと言われると口を手で隠して笑う癖があんだよ』
り「いやっ、まぁA可愛いし」
「…残念だけど、まだ出会えてないな」
り「そうなんだ。俺もだよ、ちなみにとしみつも」
「…そっか」
少し悲しそうに下を向いてストローに口をつける。
その顔はまだとしみつに未練があるとかそういうんじゃないんだろうか。
「一応ね、会社の同僚とか後輩と合コンは行ったりするんだよ。でも、話してて楽しいけどしっくり来ないって言うか」
り「としみつは?あいつ、女遊びすごいけどAのことずっと気にしてたと思うよ」
「ないない!だって、私から振ったんだよ?ありえないから」
り「…あ!じゃ1個聞いてもいい?」
「ん?」
り「どうしてとしみつを振ったの?」
「…あー、それ聞くかぁ。」
困ったように笑いながらもAは少し息を吐いてから話し始めてくれた。
「としみつが動画投稿始めたって聞いて、最初はもちろん応援してたんだけどね。なんか、やっぱそういうのって撮影もあったりして徐々に人気も出てって会える時間が無くなったの。」
り「うん…」
「このままとしみつと付き合ってたら嫌いになるかもって思ったから、それが怖くて。だったらいっその事私から振ろうって。新しい人見つけて幸せになるのが1番なのかなって思ったから。それに、最後の方なんて私の事頭になかったと思うよ」
悲しそうなAの顔は、きっとまだ愛されたかったように名残惜しそうだった。
り「…この後、としみつと会わない?」
「りょうくんは関係ないからそういうこと言えるんだよ、」
り「関係なくないよ。俺はとしみつがどんな気持ちでいたか知ってるから」
「…っ」
り「それと…、首のそれ、何?」
「え?」
Aがカバンから鏡を取り出して自分の首を見る。
数秒後、それに気づいたのか焦ったように手で隠した。
「…これは、」
り「やっぱ彼氏とかいるんだよね?」
「違う……」
り「じゃあ、何?誰につけられたの」
「…そういう関係を持ってる人」
り「そっか…」
そのままなんて言えばいいのか分からなくなって、二人とも黙ってしまった。
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りんごじゅーす。(プロフ) - amichinさん» 失礼しました(汗)教えていただき、ありがとうございます! (2019年6月29日 23時) (レス) id: 978193e2f8 (このIDを非表示/違反報告)
amichin(プロフ) - 半ば強引ははんばではなく、なかばと読みますよ! (2019年6月28日 3時) (レス) id: f6d131a32e (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - とても面白い作品ですね!(*^^*)更新楽しみにしてます! (2019年6月14日 22時) (レス) id: 41e7cff00a (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - はじめまして!楽しく読ませていただいています(^_^)!細かいかもしれないですが、19歳で大学院に通っているというのは年齢的に合わないかなと思います、そこが気になってしまいましたがお話はすごく面白くてこれからの展開が楽しみです!…細かくてすみません (2019年5月23日 12時) (レス) id: b56ed7d6b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんごじゅーす。 | 作成日時:2019年5月18日 20時