転入生と後片付け・3 ページ45
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『あはは、久し振りに聞いたなぁ、渉のその口上も。
今日はどうも有り難う。僕の不在を君1人で補わせる事になってしまって、申し訳なかったけど……やはりと言うか、何も心配いらなかったね。流石の出来栄えだったよ、渉』
「お褒め頂き恐悦至極！ 本日は我ら『fine』、皇帝陛下に届けとばかりに力を尽くしておりました故、少しでも貴方のお耳に届いていたならば幸いです……♪」
大仰な身振りで、日々樹が恭しく膝を折ったお辞儀を送った。更に舞い散った花びらを、伏見くんが若干嫌そうな顔で掃いていく。うん、頑張れ。
「あんずちゃんもお疲れ様。後片付けしてたの？ 私もこれから手伝うし、先に帰って休んでても良いわよ？」
手がそろそろしんどくなってきたので、スマホは日々樹と蓮巳に預けて、裏から出て来たあんずちゃんに声を掛ける。
「へ？ あ、いや、でも……わたし1人だけ先に帰るのは、その……」
「不陶さまの仰る通りです、転校生さん。貴女も今日一日、ほとんど休まずに、ずっと動き回っておられたのでしょう？
慣れないお仕事の連続で、さぞやお疲れだろうと思われますし……何より、休息もまた仕事の内と言いますからね」
「休息も、仕事……」
「ええ。ですから、転校生さん。どうか今日は、ごゆっくりとお休み下さい」
「……分かった。有り難う、伏見くん」
「いいえ」
まごまごしてるあんずちゃんを、伏見くんがゆっくりと、しかし流れるように説き伏せた。
めっちゃ説得慣れしてるな。流石あの姫宮くんの執事やってるだけある。
「そんじゃ、私も後片付け頑張るか〜」
「――あれ、不陶姉ぇ？ いつの間に来はってたんです？」
「お〜、影片くん。おっつ〜」
挨拶して去ったあんずちゃんを見送った後、腕まくりして気合を入れてると、影片くんが顔を見せた。
「あれ、影片くん、もう着替えたの？」
「え、あ、その……お師さん、今日の人混みでえらい疲れてもうたみたいなんで、先に帰らせて貰おかと思ってまして……。
なんや、先輩やゆっくんに仕事投げるみたいで、えらい心苦しいですけど……よろしゅうお願いしますね？」
「そんな、大丈夫よ。影片くんは悪くないわ。ひ弱な斎宮くんが悪いのよ、ええ」
「ノン！ 誰がひ弱かね、失敬な！」
本当に申し訳なさそうに縮こまってる影片くんを慰めてると、ぷりぷりしながら斎宮くんがこっちに向かって来た。
……おかしいな、意外と元気そうに見えるんだけど。
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姫結(プロフ) - あーりすさん» 有り難う御座います。仕事が多忙なのもあり、月1回更新出来ればいいかな……ぐらいの気持ちでダラダラ書いてますので、それでも大丈夫でしたら、これからも気長にお付き合い下さい。よろしくお願いします。 (2018年5月16日 18時) (
レス) id: 11e7a2152f (このIDを非表示/違反報告)
あーりす(プロフ) - え、なんで今まで赤星になってなかったのってくらい面白いです！！この小説見つけられてよかった！！更新FIGHTです、頑張ってください！ (2018年5月16日 18時) (レス) id: ab6d254405 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：姫結 | 作成日時：2018年1月17日 17時
