狂った入学試験 ページ3
雄英高校───
生徒玄関前には、｢入学試験会場｣の文字。
これから始まる試験に、緊張している緑谷出久。
｢ま、間に合った…！」
急いでいた為、肩を上下しながら息をする。
この彼────10ヶ月前に、
平和の象徴(そして憧れの)"オールマイト"から、"個性"を授かることになったのだ。
"無個性"というレッテルを貼られながらも、ヒーローに憧れていた彼にとって、嵐のような特訓の日々は、あっという間にすぎていった。
そして今、
雄英高校の試験に挑もうとしている。
朝、オールマイトから言われていた指定範囲を超えて与えられた課題はクリアできた。
でも授かった力を試すことはできず、今に至る。
｢本当に、授かっているのかな…」
そう、本音を漏らすと、
｢どけデク！」
｢！？｣
後からの威圧的な声に、振り返る。
そこには怖い顔した幼馴染、爆豪勝己がいた。
「か、かっちゃん？！」
｢俺の前に立つな殺すぞ！」
「っおはよう！
お互い頑張ろうね…っ！」
なんて、キョドりながら返すも、無視。
ヘドロ事件以来、
爆豪は、日頃から虐めていた緑谷に対して、全く手を出さなくなっていたのだ。
爆豪が通れば、周りから「ヘドロのときの…｣と言う声が聞こえてくる。
それほど、大規模で有名な事件。
だが、ここでビビっている自分を出しては駄目だ、と鼻息を荒くした緑谷。
踏み出せ、１歩を───！
そう思った瞬間、背後から来たドンッ、という衝撃。
前へと向いていた思いとは裏腹に、体は下に倒れていく。
(…これだよもう。)
顔面強打に身をすくめたが
そんなことはなく、寧ろ"浮いていた"。
｢大丈夫？」
｢うぇおあ！？」
突然のことに驚く緑谷と、
宙に浮いた自分を優しく捕まえ、
ゆっくりと、地面に下ろしてくれた女子。
その女子を見れば、可愛らしい顔をニコリと綻ばせていた。
｢私の"個性"。
ごめんね、勝手に。
でも転んじゃったら縁起悪いもんね。」
｢へっ！あ、えと…」
「お互い頑張ろう、じゃあっ」
しどろもどろと言葉を詰まらせている間に、可愛らしい女子は手を振り、去って行った。
ドキドキと心をときめかせていると、さらに背後から聞こえてきたのは
明るくて
弾けるような───高い声。
『ゴメンなさい！ぶつかっちゃった！
わざとジャないんだよ？』
えへへ、と笑顔で短い髪をかく女子。
これが、この物語の主人公。
狂瀬 Aとの────出会い。
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い - ずっとコメント出来ていなかったんですが割とガチで待ってました。最初からもう一目惚れでした！応援してます！ (3月25日 21時) (
レス) id: 7215328c99 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - この作品が本当に大好きでずっと待ってました！はやく続きが見たいです✨ (3月14日 22時) (レス) id: 16797032d5 (このIDを非表示/違反報告)
桜蘭(プロフ) - やばい、割とマジで泣きそう。いつか動き出すの待ってました！！ (3月8日 12時) (レス) id: 6f80d37515 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - ぎぁぁぁぁ！！！待っっっっってました！！！！！！！！！！ (3月5日 7時) (レス) id: cefadecee2 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - コメント失礼致します。 メッセージを送って早々、更新していただき、ありがとうございました！ また、更新を急がせてしまったこと、申し訳ございません。 でも、こんなに早く狂瀬ちゃんと再会できて嬉しいです！！ 本当にありがとうございます！ ご自愛ください。 (3月5日 3時) (レス) @page9 id: add6b22258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モなか王@水卍
| 作成日時：2018年1月14日 22時
