第4話イケメンのソナタ 後編 ページ4
恐る恐るドアを開けて覗いてみると瞬間、目があった…__何故か酷く動悸したのは多分…__そこにいたのはイケメンだったからである。
「…何者だ…?」
彼は訝しげに私を睨んでこう言った。
「お前、俺の視界に入るんじゃねえ………危ねえからな…」
「な、なんで?」
「……誰にもいうなよ?俺の右目は、視界に入れた者に火炎を浴びせて仕舞うなんて…」
た、たた大変だ!急いで私は近くにあった段ボールに隠れた。
「悪いな…俺もそうしたい訳じゃねえんだ。…俺の名前は佐藤 裕太(さとう ゆうた)。お前は?」
「私はAAだよ。気にしてないから、裕太くんも気にしないで?」
どうやら悪い人ではないらしい。右目から火炎が出るだけで、親切な人のようだ。
「ああ…悪い。それでも何か詫びさせてくれ。…………俺の曲…聞いてくか……?」
つい興味が出て私は…
「じゃあ…一曲お願いしても…?」
「っ…あぁ。しかと聞いてくれ。俺の情熱のパッションを…!!」
彼は傍にあったバイオリンを構えた…
ヒュゥッッッ!
ギイイイイイイイイィィ!!
「ああああああああああああああ!!!!」
私は流れる涙にも気付かずに、懸命に拍手を送った。彼が歌っている気持ちが切実で、彼がかき鳴らすバイオリンのクソみたいな音が鼓膜を不快なほど揺さぶった。
「ありがとう。…ねぇ、また来てもいいかな?…」
「っ…ああ!何度でも来てくれ!……そしていつか…、いつか俺と、共に一夜を奏でよう!」
私は無言のまま、音楽室に背中を向けて歩き出し
た。私の胸には確かに、彼の灯火がともっていた。
ー第3話 イケメンのソナター 終
8人がお気に入り
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モッッッッ(プロフ) - はい!!!ありがとうございます!! (2018年1月8日 22時) (レス) id: 19e25ee5f7 (このIDを非表示/違反報告)
最中(プロフ) - とても面白いです!続き待ってます! (2018年1月8日 10時) (レス) id: 246d24c4fe (このIDを非表示/違反報告)
モッッッッ(プロフ) - おっそうだな (2017年9月23日 16時) (レス) id: 2e7e45d23c (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん - 面白いのですが、三点リーダ(…)は基本二個セットで使ったほうが良いかと思いました。 (2017年9月23日 11時) (レス) id: 2e7e45d23c (このIDを非表示/違反報告)
モッッッッ(プロフ) - ありがとうございます!これからも読んでくださると嬉しいです! (2017年9月18日 18時) (レス) id: 2e7e45d23c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モッッッッ | 作成日時:2017年8月9日 18時