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第22話華のイケメン後編1/2 ページ26

「ごめんね、ちょっと何着ようか迷ってたら遅くなっちゃった」
メイちゃんは虹色のネオンが輝くバイクに乗り、鋼鉄の全身タイツ、各所にはLED電球をあしらっていた。
「ううん、全然待ってないよ！」
「そっか、よかった。Aの着物凄い似合ってる」
「あ、ありがとう！！」
さすがはネコードギア先生。メイちゃんのお褒めの言葉をいただけた。
「メイちゃんの服も……あ、の凄い、凄い綺麗！！まぶしっ！！」
「ちょ、もうそんな褒めないでよ……」
恥ずかしそうに少しそっぽを向くメイちゃんは、やっぱりかわいい。
_______
「お、美味しそう……」
なぜただの焼きそばも、たこ焼きも、ベビーカステラも、屋台に並べば美味しそうに見えるのだろう。
「もう、Aさっきから食べ物の屋台がある度に立ち止まっちゃって」
「え、えへへ……ごめん」
かなり大規模なお祭りだった。赤い提灯が一列にズラッと並んで、左右どちら側にもびっしりと屋台が構えられていた。

「ちょっと静かな場所にでも行く？」

「そういえば、このお祭りの名前って知ってる？」
「え、ううん。分からないや」
祭りの少し外れ、森を抜けた景色の見渡せる高台に腰を下ろした。
少し得意げに、装甲を光らせながらメイちゃんは語り出す。

「好愛祭っていうの。もともとこの整ヶ崎周辺には神様がいたとされていてね、色恋を司る神様がいたの」
メイちゃんは夜空を見上げて、目を細めながら話す。
「その神様は男性で、アダマームっていうんだけど。そのアダマームは、なんと親友だったイーヴァナに恋をしてしまうの、男性ね」
「だ、男性同士！？」

「そう。それでアダマームは凄く、凄く悩むの。だってこれは禁断の恋。しかもイーヴァナには沢山のお嫁さん候補がいたの。まさか自分にチャンスがある訳がない。でもね、次にイーヴァナあった時、ちゃんと笑える自信がなかった……」

「だから、もう決心した。この場所でイーヴァナに告白するってね」
メイちゃんがこちらに向き直った。
「アダマームはその日、自分の考え得る限りのコーディネートをしてきた。虹色のユニコーンに乗って天の川を身に纏っていたと伝えられてるわ。そして、意を決して」

「告白したの」
「そうしたら……？」
静寂、互いの息遣いだけが聞こえる。

「そうしたら……」

ドオンッ！！
突如として轟音が鳴り響いた。そして、次の瞬間、
満点の夜空に大輪の花が咲いた。