collaborateur2

あの日。前編 ページ41

side Rei

理「3月、構成員の吉野という男が組織からデータを持ち出したことから始まります。」

黒の組織壊滅のおかげで仕事に少し余裕ができたため、記者会見が始まるとみんな一斉に作業を止めて画面を食い入るように見ている。

この記者会見で必ず発表する予定のものがあり、その発表で世間がどう動くのかみんな固唾を飲んで見守っている。

理事官が話しているのを聞きながら俺はあの日のことに思いを馳せていた。



––––5月6日

カランカラン

安「いらっしゃいませ〜」

康「透くん来てもうた！」


ポアロに康二が来た。基本的に康二はほんとに用がない限りポアロには来ない。

康「俺がボロ出して、零くんが危ななったら嫌やからポアロは急用のときだけ行くな。」

なんて言ってたから今日ここに来たということは急用なんだろう。


他のお客さんや梓さんには悟られようにしながらも少し肩に力が入る。


康「これもらってんけど、こんなオシャレなん俺似合わんし透くんなら似合いそうやなって思ってな〜」

と言って差し出されたのは小さな箱。
開けると中にはリングが入っていてその台が少し浮いている。


康二を見るとかなり意志のこもった目で見つめながら頷かれたのでその台をそっと開けると、

安「…！」





.








…マイクロチップだった。

あの日。後編→←ニュース

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す