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嘔吐表現アリ。
…
どちゃ、とそれは気色の悪い音を立てる。
床に飛び散る、真っ赤な、液体。
それを見た途端、私は目を見開いた。
『_______人の、手…!?
お前、これ…!?』
少なからず呪術師は人も殺す。だがそれは処刑対象の呪詛師のみだ。でも、五条がこの場に呪詛師の手を持ち帰るとは考えにくいし…何故これを。誰のモノだ?
五条が……殺ったのか?
「まさか、僕は殺してないよ、襲ったのはそこらにいた呪霊さ。それに…ようく見てご覧、その手を」
思考を読まれたことに若干の恐怖を覚える。
言われるまま、辺りに漂う血の匂いに鼻をつまみながら目を懲らす。手には腕時計がしてある。
その腕時計には見覚えが、あった。
さっき、見た。
彼奴に、あげたもの。
『______________、す、ぎお、か』
「ピンポン、大正解♪」
五条は嗤った。
嘘だ、杉岡が、そんな訳。
「嘘も何も、
吐き気が襲った。押し寄せる腹からの圧に負けて、私は胃の中をぶちまけた。
『ぅ、お…ぇ"ッ…ごほ、げほっ、』
びちゃびちゃびちゃ、と嘔吐物が床に散らばり、口の中が酸っぱさで満たされる。
ああ、なんで杉岡が、杉岡、殺された?
私の、せいで。
自分の惨めさに涙が溢れた。
「…あーあ、吐いちゃったか。ホラ、口濯いで」
口を濯ぐと、少し楽になる。
優しい体で装っていても、コイツは杉岡を殺した。
「悪いのは、Aだよ?僕になんにも言わないから」
『っ、そんな、』
「杉岡を殺したのはもうAも同然だよ」
『ちが、私、は』
考えが上手くまとまらない。いつもみたいに言い返せない。
私の、せい?
そうだ私が…?
見ないで見ないで、お願い五条。私を愛おしそうに見ないで。殺して。
「怖い?僕が」
『…こわ、い』
「そっかぁ、僕を怖がるA、久々に見たよ。でもさ、どんなに怖がってもそれは僕を煽る材料にしかならない」
口元を拭いて、目隠しを取って、私の目を真っ直ぐ見つめる。それはさっきの杉岡と同じように見えて、全然違う。
「アレだよ、嗜虐心て奴。
…そんなに怯えられちゃうと、もっと泣かせてあげたくなる」
嗚呼コイツは本当に、イカれてる。
頭がどうにかしてる。
でも、ここで反抗したら、どうなるかなんて簡単に想像がつく。
「まあでも今回の場合は…悪いのはAだし。
_______こりゃあ、お仕置きが必要だね」
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グミ(プロフ) - みーこ【サブ】さん» 出来ますよ!いえいえこちらこそ何度もリクエストありがとうございますー! (2021年1月8日 15時) (レス) id: 763fbac217 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ【サブ】 - リクエストで、熱が出ちゃったら、ってお願いできますか??何度もすいません! (2021年1月7日 19時) (レス) id: fd540dc306 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ【サブ】 - グミさん» リクエスト、応えてくださってありがとうございます!五条先生のヤンデレ感が加速していて、すごくおもしろかったです(笑)更新頑張ってください! (2021年1月4日 8時) (レス) id: fd540dc306 (このIDを非表示/違反報告)
みどりちゃ。(プロフ) - 五条先生がヤンデレってトコが性癖にグサッと刺さって、いつも楽しみです!更新頑張って下さい! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 2c92b3b212 (このIDを非表示/違反報告)
グミ(プロフ) - みーこ【サブ】さん» リクエストありがとうございますー!全然できますよ!是非作らせていただきますー! (2021年1月1日 12時) (レス) id: 763fbac217 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:グミ | 作成日時:2020年12月3日 7時