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『…え?』
「その事に野薔薇も恵も気づいてる。気づいてなかったのは君だけ。
振り向いてもらおうと、必死に頑張ってさ」
健気だよねぇ、もうAは僕のものなのに。
嘲笑するような、馬鹿にするような、それでいて、少し慈愛を持ったような。そんな声で言葉を吐いた。
「もしそれが悠仁じゃない、顔も知らない奴だったら殺してたけど…悠仁は僕の大事な生徒だし、立場上そういう訳にも行かない。だからさ、」
_______もう会うのをやめよう。
その言葉の意味がわからなくて、眉を顰める。
「言葉の通りさ。Aの方から悠仁に会ったり絡んだりするのを、辞めようってだけ。簡単に言えば、
もう悠仁とは会うな…ってこと。
どう、いい提案じゃない?」
嬉々として僕天才!と自画自賛する五条を、私は、
ふざけるな、
と制した。
『事故だって言ってるだろうが。それに、…ホントに悠仁が私を好きかなんて、分からないだろ』
「…口を開けば悠仁悠仁、うるせえな」
五条の顔から、笑みが消えた。
「そんなに心配なの?
…っつーか俺、野薔薇や恵はともかく悠仁を名前で呼ぶの、許してないんだけど?」
一人称が、俺に戻った。
「そんなに離れたくないなら…どの道彼は死刑の身だ。それまでに
瞳孔が開き、殺気が広がる。
こんな五条、久しぶりだった。
『…死んだら呪霊になって呪ってやるよ』
正直怖い。
これは確実に殺られるに違いない。
でも、……なんだか久々の感覚だった。
「ぷ、……ッはははははっ!!!」
一触即発。
そんな殺伐とした雰囲気を、
五条は急に吹き出して大笑いしてぶち壊した。
「何マジになってんの、嘘だよ冗談。殺すわけないでしょ〜」
本気にしちゃったんだ、かわい、とニヤニヤ嗤う五条に思わずため息がでる。
『ったく、…』
「ごめんごめん、あんまりにも面白いから。
でももう悠仁には会わせたげないってのはホント」
『え』
「またあんな事されたらこっちは溜まったもんじゃない」
冗談抜きで殺しそうになる、とため息を吐く五条。
「さっき、嫉妬かって聞いたよね。…優しい言い方をしたらそうだって僕は答えた。
…これが嫉妬なんて感情だったら、きっと世の恋愛してる奴はとっくに人を殺してる」
嫉妬と言うにはあまりにも歪んでて、支配欲と言うにはあまりにも愛に満ち溢れてる。
五条はそう言葉を紡ぐ。
「…この感情は、なんて言えばいいんだろう」
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グミ(プロフ) - みーこ【サブ】さん» 出来ますよ!いえいえこちらこそ何度もリクエストありがとうございますー! (2021年1月8日 15時) (レス) id: 763fbac217 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ【サブ】 - リクエストで、熱が出ちゃったら、ってお願いできますか??何度もすいません! (2021年1月7日 19時) (レス) id: fd540dc306 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ【サブ】 - グミさん» リクエスト、応えてくださってありがとうございます!五条先生のヤンデレ感が加速していて、すごくおもしろかったです(笑)更新頑張ってください! (2021年1月4日 8時) (レス) id: fd540dc306 (このIDを非表示/違反報告)
みどりちゃ。(プロフ) - 五条先生がヤンデレってトコが性癖にグサッと刺さって、いつも楽しみです!更新頑張って下さい! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 2c92b3b212 (このIDを非表示/違反報告)
グミ(プロフ) - みーこ【サブ】さん» リクエストありがとうございますー!全然できますよ!是非作らせていただきますー! (2021年1月1日 12時) (レス) id: 763fbac217 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:グミ | 作成日時:2020年12月3日 7時