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「五条先生、アレ?別件ってさっきAさんが…」
「あぁ、思った以上に結構早く終わったから、来ちゃった」
「ふーん」
さも日常会話のように繰り広げられる五条と悠仁の会話だが、悠仁は依然私の上である。
『…あ、あの悠仁、すまん、退いてくれ』
「え?……あ!!??ごめん!!!マジでごめんAさん!!!」
『いい、気にするな』
飛び退くように離れた悠仁に、私は膝や尻を叩きながら砂を落とす。
「…」
『…』
気まずい、気まず過ぎる。
何も言ってこないのが、1番怖い。
「そうだ、僕もこれからの任務ついてくよ」
『あ…?』
そう五条は切り出した。それなら良い、本来此奴らの付き添いは五条だ。代理の私は帰らせて_______。
「勿論Aも着いてきてもらうよ。久しぶりにデートしよ?生憎2人きりじゃないけど」
本音は、ノーだ。
でもきっとそう言ったら何をしでかすかわかったもんじゃない。
でも生徒達の前ではいつもの束縛してくるような、狂った姿は見せていないようだ。下手な事は出来ないだろう。
だが、こういう時断っても断らずとも、ろくなことにならないのを私は知っている。
『いや、私は、…』
「_______拒否権が無いことぐらい、分かってんだろ?」
ぐいと私の肩を引き寄せて、耳元で地を這うような低い声で囁く。1年には聞こえないくらいの、小さな声で。
ホントにこの世には、神なんていないのだと思い知る。もしいたのならば、相当な性悪野郎なのだろう。
あんな1番のバッドタイミングで私達を引き合せるだなんて。
『……ッ』
「何黙ってんの。そんな悩むこと?」
引き寄せる手にどんどん力が入って、皮膚に爪がくい込む。わざとだ、こいつ、私が痛みで声を出さないよう我慢してるのが楽しくてわざと爪を立ててやがる。
「痛い?辞めて欲しい?」
でも辞めたくないから辞めないんだろ。知ってるよ。
畜生、またこいつに転がされてる。結局、五条の思うがままなんだ。
『わかった、いく、行くから、手を離せ、』
「じゃあ決まり。A来てくれるって!良かったね!」
「よぉっしゃ!」
「結局アンタら来て欲しいだけじゃないの」
「あ、バレた?」
「相変わらずの緊張感のなさ」
…この選択が、吉と出るか凶と出るか。
それは、やはり神しか分からないのだろう。
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グミ(プロフ) - みーこ【サブ】さん» 出来ますよ!いえいえこちらこそ何度もリクエストありがとうございますー! (2021年1月8日 15時) (レス) id: 763fbac217 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ【サブ】 - リクエストで、熱が出ちゃったら、ってお願いできますか??何度もすいません! (2021年1月7日 19時) (レス) id: fd540dc306 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ【サブ】 - グミさん» リクエスト、応えてくださってありがとうございます!五条先生のヤンデレ感が加速していて、すごくおもしろかったです(笑)更新頑張ってください! (2021年1月4日 8時) (レス) id: fd540dc306 (このIDを非表示/違反報告)
みどりちゃ。(プロフ) - 五条先生がヤンデレってトコが性癖にグサッと刺さって、いつも楽しみです!更新頑張って下さい! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 2c92b3b212 (このIDを非表示/違反報告)
グミ(プロフ) - みーこ【サブ】さん» リクエストありがとうございますー!全然できますよ!是非作らせていただきますー! (2021年1月1日 12時) (レス) id: 763fbac217 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:グミ | 作成日時:2020年12月3日 7時