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ぎし、とベッドが揺れた。
己の口から出たなんて思えないほど、甘い吐息が漏れ出て、火照った肌が、触れた。
五条の体温に包まれて、何処か頭の隅がぼーっと痺れる。
『ご、じょ……う、』
思わず五条を呼ぶと、五条は笑って私の唇に人差し指を乗せる。
「ねぇ、そろそろ名前で呼んでよ」
『な、まえ…?』
「そう、僕の名前。悟、って」
『…』
精一杯の反抗なのだ、私が奴を名前で呼ばないのは。なのに、そんな見つめられたら、洗脳されそうで、溶かされそうで、…言うことを聞いてしまうだろ。
「砂糖の『さ』。時計の『と』。ルビーの『る』。
簡単だよ?」
甘く溶かしたチョコレートみたいな囁きが、私の脳に響く。
私はいつの間にか、唇を動かしていた。
『…さ、』
「と」
『…と』
「る」
『…る…』
「さとる」
『さ…と、る…』
「そうだよ、…やっと呼んでくれた」
五条の、
_______悟の、熱の篭った蒼い瞳が私を捉えた。
「A、」
吐息混じりの声が、私を呼んだ。
「愛してる」
…ああ、そんなの狡い。
何度も重なる唇を、私は必死に受け止めて、私も馬鹿みたいに仕返した。首に手を回して、離れないように、堕ちてしまわないように。
…此奴は、本当に人の弱点を攻めるのが好きだ。弱いとこを容赦なく攻めて、果てさせて。
そんな奴を愛してしまっている、私も悪い。
『私も、お前を、』
_______愛してる。
と晴天の瞳を真っ直ぐ見つめて囁きかけるこれは、せめてもの反抗だ。
黒と白が交わればグレーになる。
…そんな馬鹿げた話は色の話だ。
絶対に染まらない、それだから白は綺麗なのだ。
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グミ(プロフ) - みーこ【サブ】さん» 出来ますよ!いえいえこちらこそ何度もリクエストありがとうございますー! (2021年1月8日 15時) (レス) id: 763fbac217 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ【サブ】 - リクエストで、熱が出ちゃったら、ってお願いできますか??何度もすいません! (2021年1月7日 19時) (レス) id: fd540dc306 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ【サブ】 - グミさん» リクエスト、応えてくださってありがとうございます!五条先生のヤンデレ感が加速していて、すごくおもしろかったです(笑)更新頑張ってください! (2021年1月4日 8時) (レス) id: fd540dc306 (このIDを非表示/違反報告)
みどりちゃ。(プロフ) - 五条先生がヤンデレってトコが性癖にグサッと刺さって、いつも楽しみです!更新頑張って下さい! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 2c92b3b212 (このIDを非表示/違反報告)
グミ(プロフ) - みーこ【サブ】さん» リクエストありがとうございますー!全然できますよ!是非作らせていただきますー! (2021年1月1日 12時) (レス) id: 763fbac217 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:グミ | 作成日時:2020年12月3日 7時