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___「そろそろ焼きそば焼くの飽きたでしょ?涼とAちゃんも客引きがてら砂浜行っておいでよ」
翌日、叔父さんの提案で、Aちゃんと一緒に客引きに行くことに。
厨房は叔父さんと遊びに来た父さんが捕まって担当するらしい。
「Aちゃん、」
『なんですか?』
「昨日のこと、まだ怒ってる?」
『……別に、もういいです』
もういいです、と言いつつもAちゃんの視線はこちらには向けられなくて、きゅっと胸が締め付けられる。
『というか、涼くん水着……』
「だって海だよ?水着でしょ!やっぱ!Aちゃんは着ないの?」
見てみたいなぁ、なんて言ったら嫌な顔をされそうだからぐっと堪えて、じゃあ行こ!と腕を引いた。
『ちょ、っ、手』
「何ー?聞こえない!」
人混みのうるささのせいにして聞こえないフリをする。
じんわりと汗ばむ手のひら、……はは、俺緊張し過ぎ?
でもAちゃんの顔も赤いし、振りほどかれないし、……ちょっとだけ、期待してもいいかな?
「Aちゃん、ってここら辺に住んでるの?」
『いや、おばあちゃん家がこっちの方で、』
「てかさ、同い年だよね?タメ口でいいよ、俺も勝手にタメ口だけど!」
じゃあ、と少しだけ堅苦しさが無くなって、砕けた喋り方に変わる。
客引きなんて名ばかりで、ただAちゃんと砂浜を歩くだけ。
「……Aちゃん?」
話に夢中になってる内にいつの間にか手を解いてしまっていて、心地よい相槌が無くなっていることに気が付く。
キョロキョロと辺りを見渡してみてもAちゃんの姿はなくて。
慌ててスマホを取り出したけど、Aちゃんの連絡先なんて知らない。
俺たちは、その程度の関係なのだ。
若干のショックを受けながらも必死に探す。
早く見つけなきゃ、きっとAちゃんは不安そうに泣きそうな顔をしてるんだ。
……もう泣かせたくない。
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みーま(プロフ) - 最後においシャンの歌詞でてきてやられました……🤦♀️作ちゃんの良さめちゃくちゃ詰まってます!!ありがとうございます!!! (7月27日 14時) (レス) @page41 id: e266a86186 (このIDを非表示/違反報告)
hiレベルな小5 - こんな素敵なお話ありがとうございました! (2020年2月17日 18時) (レス) id: 62d5677c5a (このIDを非表示/違反報告)
ちゅっきー(プロフ) - ハヤテさん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!^ - ^ (2019年8月26日 2時) (レス) id: c0a7664ca3 (このIDを非表示/違反報告)
ハヤテ - 面白かったです!《*≧∀≦》私の暇な夏休みにぴったりなお話でした! (2019年8月22日 19時) (レス) id: ef8049b1e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はいはいこらぼ x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=blueao5&scr=novel/jeyuto01...
作成日時:2019年8月13日 22時