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「失礼致しました」
『いいんです、よく間違えられるので』
少し悲しげな顔をしている彼女を見ると自分まで苦しくなって。
こんな感情初めてでどう対処すれば良いのかわからない。
「いちごのかき氷1つお願いしまーす」
『あ、私はレモン味でお願いします…』
「オレンジジュースとビールひとつ!いちごとレモンのかき氷ひとつー!」
いつもは暑さで乾いた声も今はなぜか潤って。
ガリさんの仕事を奪ってかき氷を削ろうとする。
「瑞稀くん!?どうしたの(笑)」
「ちょっとやってみたくなっただけだし」
自分でもどうしてかき氷をこんなに削りたいのかがわからない。
「だけ、って感じしないけどなー」
「ガリさん黙って」
力いっぱいハンドルを回しても消しゴムのカスレベルの氷しか出てこない。
ガリさんみたいに上手く作れねえ…。
「もっと力強く押しながらの方がちゃんと削れるよー」
「……え、これで精一杯なんだけど」
「…よし、瑞稀くんは接客に戻ろうか」
どうせ俺は役立たずですよー、なんて八つ当たりして定位置である椅子に座る。
あのお姉さん、特別かわいいわけでもないし陰キャっぽいし。
なのになんで、なんでこんなに見てしまうんだろう___。
海の家なんてお客様にとったらほんの一瞬の休憩にすぎない。
お姉さんたちのお皿も気がつくと空。
海の家をキャッキャと出ていく後ろ姿を眺めることしかできなかった。
あのお姉さんが海の家を出てからなんだかやる気も出なくなって。
ただぼーっと、また無意味な時間が流れる。
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みーま(プロフ) - 最後においシャンの歌詞でてきてやられました……🤦♀️作ちゃんの良さめちゃくちゃ詰まってます!!ありがとうございます!!! (7月27日 14時) (レス) @page41 id: e266a86186 (このIDを非表示/違反報告)
hiレベルな小5 - こんな素敵なお話ありがとうございました! (2020年2月17日 18時) (レス) id: 62d5677c5a (このIDを非表示/違反報告)
ちゅっきー(プロフ) - ハヤテさん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!^ - ^ (2019年8月26日 2時) (レス) id: c0a7664ca3 (このIDを非表示/違反報告)
ハヤテ - 面白かったです!《*≧∀≦》私の暇な夏休みにぴったりなお話でした! (2019年8月22日 19時) (レス) id: ef8049b1e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はいはいこらぼ x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=blueao5&scr=novel/jeyuto01...
作成日時:2019年8月13日 22時