Ryo.h ページ2
.
___「うわあ！海！海！海！」
一面の碧に急上昇するテンション。
何度来てもこの光景は感動的なもので、
皆よりも一足先に着いて、誰もいないから良いだろう、と思いっきり叫んだ。
誰もいない、と思っていたのだけれど。
『っ？！』
ガシャンと何かが落ちる音、振り向くとお下げに眼鏡の女の子が立っていた。
目がパチリと合うとソッコーで逸らされて、慌ててお盆を拾って、……失礼しましたと立ち去ろうとした、が、
「ま、待ってよ！」
『何ですか？！腕掴まないでください！！警察呼びますよ！？』
警戒心の強い子だ。
別にとって食ったりはしないのに。
そう思いつつもビクビクされるのは悲しいし、怯えるような顔をしていて可哀想だったから、やんわりと掴んでいた右手を離した。
「キミ、誰？」
『あ、あなたこそ！』
ああ、この子ちょっと苦手なタイプかも。
というか、むしろ苦手に思われるタイプ？
「A、ちゃん？」
『名前なんで！』
「だってここに書いてあるから」
割と豊満な胸の位置に取り付けられたネームプレート。
これ付いてるってことは、この子もここで働くってこと？
「Aちゃんも、ここでバイトするの？」
『……はい、』
「ふうん、じゃ、よろしくね？俺は橋本涼！涼くん♡って呼んでくれればいいから！」
『橋本さん、』
すごい！綺麗な無視！
うう酷いよ、という泣き真似も無視されて、すっごく嫌そうに、しばらくよろしくお願いします、とぺこりと頭を下げた。
え、なんで！？
初対面なのになんでこんなに好感度低いの？！
そんな心の声は届くはずもなく、逃げるようにバックヤードを出ていくAちゃんの背中をぼーっと見送ることしか出来なかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 744人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みーま(プロフ) - 最後においシャンの歌詞でてきてやられました……🤦♀️作ちゃんの良さめちゃくちゃ詰まってます！！ありがとうございます！！！ (7月27日 14時) (
レス) @page41 id: e266a86186 (このIDを非表示/違反報告)
hiレベルな小５ - こんな素敵なお話ありがとうございました！ (2020年2月17日 18時) (レス) id: 62d5677c5a (このIDを非表示/違反報告)
ちゅっきー(プロフ) - ハヤテさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！^ - ^ (2019年8月26日 2時) (レス) id: c0a7664ca3 (このIDを非表示/違反報告)
ハヤテ - 面白かったです！《*≧∀≦》私の暇な夏休みにぴったりなお話でした！ (2019年8月22日 19時) (レス) id: ef8049b1e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はいはいこらぼ
x他2人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=blueao5&scr=novel/jeyuto01...
作成日時：2019年8月13日 22時
