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子狐諭される。 ページ5

座敷童子達がAを連れて鬼灯達の所へ戻ってきた時には、桃太郎と白澤も到着していた。


「まったくお前は!他の人や自分より小さな子には優しくしないとダメだろ!」

と桃太郎の説教が始まり、Aは「ごめんなさい…」と泣く。


「まあまあ、座敷童子ちゃん達に怪我はなかったんだし」

閻魔大王の助け舟に座敷童子達も

「A、謝ってくれた」

「うん」

と同調する。




「でも、ここでちゃんと叱っておかないとこんちゃんの為にならない」

そう言って白澤はAを抱き上げた。


「僕と桃タローくんがこんちゃんを甘やかしたせいなのかもね」

そう言って白澤はコツンッとAと額同士を合わせる。


「こんちゃん、生活してるとね。

 自分は得ることができず、他が得ることができることがあるんだ。

 その逆もある。

 それに嫉妬することも嫉妬されることもある。

 時には嫉妬した人が危害を加えることもある。

 僕はこんちゃんは危害を加える側に行ってほしくない」


白澤は優しいまなざしでAの瞳を見た。


「他に優しく、慈しみ、時に厳しく。正しい道を歩いて欲しい」


「まあ、まだ言葉の意味を完全に理解するのは難しいか。

 ゆっくり知っていけばいい。

 間違えたとき、過った道に行きそうになったときは僕と桃タローくんが正すから」


Aの小さい頭を白澤の手が優しく撫でる。

座敷童子達は白澤の足元へと駆け寄り、Aを見上げる。


「今度、きせかえお松であそぼ」

「チャイニーズエンジェルの観よ」



Aはぐしぐしと自分の涙を拭い、

「うん」と小さく返事した。


「…それと、今回はお前は間違っていないよ」

そう言って白澤は鬼灯を見る。

「自分家の子が突き飛ばされたんだ。怒るよ」



「こんちゃん」

白澤はもう一度Aに向き直る。


「座敷童子達にとってあのクソ鬼神はこんちゃんにとっての桃タローくんなんだよ。

 桃タローくんとられたら嫌でしょ?」

と聞くとAは何度も頷く。


「だから、あんまりベタベタするのやめようね」

「うん」

その約束に鬼灯はギッと睨み、白澤はベーッと舌を出したのだった。






ーオマケー


「にしても…」

お香は並んでいるAと座敷童子達を見る。


「こうやって並んでいると、Aちゃんお姉さんみたいね」


お姉さん


この言葉がAの中で何度も響く。


「お姉さん…」

そう呟いて照れているAに皆はお香に脱帽した。

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猫もん - 子狐が座敷童子に嫉妬する話、泣いてしまいました…小さい頃ってこんな感じだったなぁ…と思い出しましたw (2023年1月19日 18時) (レス) @page6 id: ab6da51256 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 褓さん» ありがとうございます。 (2020年6月16日 1時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いえいえ、、!鈴さんのできる範囲でゆっくり更新して下さい!気長に待ってます! (2020年6月10日 22時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 褓さん» コメントありがとうございます。留守にしていてすみません。更新頑張ります(*´∀`) (2020年6月10日 16時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 久しぶりに占ツク開いたらたくさん更新されてて嬉しかったです、、!!これからも更新楽しみにしてます〜!! (2020年6月10日 12時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php  
作成日時:2018年3月7日 0時

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