子狐と白澤様の休日 前篇 ページ28
麗らかな朝、桃源郷は豊かな植物は葉は日を浴びて輝いていた。
「うえっぷ…」
そこで薬剤師として店を開いている白澤の休日は二日酔いから始まる。
ベットから降りて頭を抑えながら食卓へと行くとAが1人お茶を飲みながら朝のドラマを観ていた。
「あれ…桃タローくんは…?」
「桃タローならシロちゃん達の所遊びに行ったよ」
「こんちゃんは行かなくて良かったの?」
「毎回一緒に行っても悪いしね」
小さい頃はどこ行くにも桃太郎に絶対ついて行き、むしろ許可を得ずに勝手に置いて行こうものなら泣いて喚いていた時期もあったのに…
と気を使うようになった事に成長を感じながら白澤も席に座り、再び頭を押さえた。
「あ〜…こんちゃん、二日酔いの薬出して…」
「ん?」
Aは席から立ち上がると戸棚から薬、水の入った湯呑みを白澤の前に並べた。
「謝謝」
今日は軽いから昼には良くなるかなと漢方を水で胃の中に流し込み、目の前のAに話しかける。
「仕事はどう?」
「…うん。まあまあ」
会話終了
思春期の娘と父みたいな淡白な会話にいつも遊び歩いているせいでここ最近はAとほとんど顔を合わせていなかったことに後悔した。
「よし!こんちゃん出かけよう!」
そう勢いよく立ち上がった白澤は二日酔いによる頭痛で一瞬クラリとしたが、そんな事を言ってられない。
「二日酔いなのに大丈夫?」
「可愛いこんちゃんとお出かけできるなら平気だよ〜」
おめかしをしたAは白澤と共に衆合地獄へと訪れた。
なんでも、最近出来た甘味処が若い女の子達に人気なのだそうだ。
「2名様でーす」
一歩店の中に入れば甘い匂いがAの鼻をかすめた。
「ここはぜんざいが特に人気らしいんだ」
案内された席についた途端
「あ」
と聞き慣れたバリトンボイスが聞こえ、
声の方を向けば通路を挟んだ隣のテーブルに鬼灯と双子の座敷童子が座っていた。
まさかの遭遇に顔色を青くした白澤はギリギリと鬼灯を睨みつける。
「Aだ」
「Aもぜんざい食べに来たの」
双子の童子がAの手を引き自分達の席へと誘導しようとした所を鬼灯が止めた。
「コラコラ。爺さんのお孫さんと過ごす時間を邪魔するんじゃありません」
「誰が爺さんだ!!今日はこんちゃんとデートなの!」
鬼灯と白澤が睨み合っている事を気にせず、
Aは座敷童子達とメニューを開いていて食べたい物を選び始めたのだった。
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猫もん - 子狐が座敷童子に嫉妬する話、泣いてしまいました…小さい頃ってこんな感じだったなぁ…と思い出しましたw (2023年1月19日 18時) (レス) @page6 id: ab6da51256 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 褓さん» ありがとうございます。 (2020年6月16日 1時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
褓(プロフ) - いえいえ、、!鈴さんのできる範囲でゆっくり更新して下さい!気長に待ってます! (2020年6月10日 22時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 褓さん» コメントありがとうございます。留守にしていてすみません。更新頑張ります(*´∀`) (2020年6月10日 16時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
褓(プロフ) - 久しぶりに占ツク開いたらたくさん更新されてて嬉しかったです、、!!これからも更新楽しみにしてます〜!! (2020年6月10日 12時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時:2018年3月7日 0時