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ふん、と子供のように顔を逸らした刹那、

黙って見ていた跡部先輩が鼻で笑った。






その嘲笑にイラッと来た様子のマネージャーの先輩が

キツく彼を睨んだ。






「ちょっと、何笑ってんの跡部。

あんた何考えてこんな子入れたのよ」






「いや? お前の言う通りだと思ってよ」






「……え」






味方をしてくれるのかと思いきや。






魔王と魔女はどう足掻いても味方らしい。






嘘じゃん。






私が怒られるオチなのかとドラマのような展開は

やはりフィクションでしかないことを悟り覚悟を決め

俯いた私の上から再び跡部先輩の声が降ってきた。






「確かに、マネージャーの仕事は人間観察では無い。

俺が言ったことを忠実にこなしてくれればそれがベストだ」






「……知ってるよ。だからなんで入れたのって聞いてんだけど」






「だが、こいつはテニス部のマネージャーじゃねえからな」






「……は?」






「こいつは、俺様専属のマネージャーだ。

だから、お前がこいつを咎めることもできねえよ」






「……なにそれ? どういうこと?」






「こいつの入部を唆したのはこの俺様だからな。

こいつに文句があるってんなら、

俺に文句言ってるのと同義だって言ってんだよ」






……え?






言い方はなんだか気に食わないが、結局味方なの?






跡部先輩の思惑が読めず、俯いていた顔を上げ彼を見上げていると。






なるほどそういうこと、と、

面を食らっていたマネージャーの先輩がそう呟いて

顰めっ面を崩し笑い始めた。






はぁー、とため息をついて笑顔を取り戻した彼女は

私に視線を合わせて。






「ねぇ、あんた。名前は?」






「え、あ、A、A、ですけど」






「Aちゃんね。ごめんね、つっかかったりして。

ボールもいいよ、私がやる。途中までありがとう、助かった」






「……え?」






「……私達より百倍大変そうだからね」






「……え」






「頑張って、専属マネージャー様」






「……」






そう言って踵を返した彼女から

ボソッと縁起でもない言葉が聞こえたのは気の所為だろうか。






私達より百倍大変そうとは、どういう意味だろうか。






そして喧嘩両成敗、では無いが上手いこと場を収めた彼は

思うよりちゃんと部長をやっているらしい。






男子テニス部における謎の役職ピラミッドに困惑を隠しきれず

小首どころか大首を傾げていれば跡部先輩がチラッと私を見て。






「で?」

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設定タグ:テニスの王子様 , 氷帝学園 , 跡部景吾   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 財堂若也さん» 応援コメントありがとうございます! 一応ラストスパートかけているつもりですが文章力と発想力が乏しくオチを見失いかけておりますw あと2シーズンくらいは要するかもしれません…すみません…気長に見ていただけると幸いです… (2020年12月31日 20時) (レス) id: 8b3ebb8f88 (このIDを非表示/違反報告)
財堂若也 - ラストスパートかかってきた感じですか?更新頑張ってください! (2020年12月31日 19時) (レス) id: 7fa4fbfbfc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:2ytluvuusham081 | 作成日時:2020年12月29日 12時

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